『1989年のテレビっ子』いよいよ今週2月17日発売!

いよいよ今週の2月17日(書店によっては16日には並ぶところもあるかも)、新刊『1989年のテレビっ子』が発売になります!
「1989年」を中心に、80年代初頭に興った「マンザイブーム」前後から90年代初頭を舞台にした青春群像劇です!
現時点での僕のある意味で集大成的な作品になっているはず!


そんなわけで、担当編集が書いてくれた渾身の帯文を紹介します。なんか泣けます。

それは『オレたちひょうきん族』が終わり、
ガキの使いやあらへんで!!』が始まった年。
それは『ザ・ベストテン』が、裏番組の
『みなさんのおかげです』に追い落とされた年。


テレビに出る人、作る人、見る人。
誰にとってもテレビが青春だった
「1989年」を巡る、
僕や君や彼らのための
群像劇。


膨大なる資料の海、積み上げられたVHSの山、唸りをあげるハードディスク、尋常ならざる視聴体験とその記憶。
芸人やスタッフのテレビでの発言や、雑誌でのインタビューを丁寧に拾い上げ、ひとつひとつを織り込んでつくり上げた、作者渾身のテレビ賛歌。
僕らは、テレビを信じる。自分の人生と、同じくらいには。

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ちなみにこの帯には、本書に引用した言葉が細かーい文字でびっしり引用されてます。

とんねるずが来たらネットが荒れるから!」「行くぞ、殴りこみだ!」「荒れろ、荒れろ!」「俺のやり方に半年間付き合ってくれ。半年経っててもし結果が出なかったら、俺が間違っている」「落語vs漫才の異種格闘技にツービートは勝った。ノックアウトでね」「一流の制作者になるためには、自分が少年のように感動して、他人にこれを伝えたいと切望し、自分に賭けるピュアな心が絶対に必要だ。しかし、それだけでは成功しない。もうひとつ、商売人のたくましさが必要なんだ」「漫才じゃなくて、メッセージだよ。あなたたちのメッセージを若いお客さんに向けて発信してくれればいい」「どんどん先を走ればええ。俺はお前らが息切れして倒れたとこに、ゆっくり行かせてもらうわ」「この番組はですね、ナウいきみたちの番組ではなく、私の番組です!」「ぼくが企画書です!」「どうせ昼間の俺らの番組なんて会社の上層部は観てないだろう」「マッチ、セットを壊しながら歌い続け、最後に死ぬ」「人生の中で平凡じゃなくなるキッカケってのは、ほんの一瞬の出来事なんだ」「紳竜は終わった。十年もつと思うたけど五年やったな。終わった」「俺はどこへ行ってしまうんやろう? 俺の居場所はどこに今度あるんやろうか?」「そろそろ次の時代の『ひょうきん族』を模索しなければならない」「『夢で逢えたら』という名をつけたのは、この番組に込められた私の思いを物語るものだった」「若いのにダラダラ歩いてきてすみませんね、しんどいんです」「どうせ偉い人たちは但様だから、火曜日の深夜2時10分なんて起きてないだろう」「それは一生の問題だ。すぐ車を戻して。内村と相談しなくては」「視聴率なんかとらなくてもいい。そのころテレビに対して抱いていたストレスのようなものを、とにかく全部ぶつけてやろうという気持ちだった」「自殺するか、しゃべるか」「でもさぁ。オレだけは、たけしさんの哀愁以外だけを演出したいんだよぉ!」「まあ、自分に飽きててね、お笑いに。だから、『ちょっとシリアスなことでも』っていうのが、ホンネ」「あの日、3月11日、ツイッター上ではライブができなかったレイザーラモンRGが一晩中ひたすら“あるある”ネタをツイートし続けていた」「日本のバラエティに乾杯!」

誰の言葉かすぐに分かるのも、分からないものもあるかと思いますが、こんな感じの超いい言葉をじつに170を超える引用元から本書に引用し構成しています。


というわけで、本書に登場する人物を(全員ではありませんが)挙げておくと以下の様な人たちが出てきます。(50音順)

赤尾健一、明石家小禄明石家さんま赤塚不二夫秋元康東八郎荒井注いかりや長介、池信一、石田弘石橋貴明、磯野泰子、居作昌果逸見政孝井上陽水井原高忠今喜多代植竹公和内村光良内海桂子内海好江おあずけシスターズ、大岩賞介、大崎洋大島渚大竹しのぶオール巨人オールナイターズ岡崎正道小川菜摘、荻野繁、奥山侊伸、奥山和由おニャン子クラブ景山民夫片岡飛鳥片岡鶴太郎、桂邦彦、桂三枝桂雀々、桂文也、桂文珍加藤茶上方よしお亀渕昭信、河本瑞貴、神吉晴夫、北野幹子、木梨憲武木村政雄久世光彦熊倉一雄久米宏倉本聰栗原美和子、栗山順子、黒柳徹子小林信彦、小牧次郎、小松純也、坂上二郎坂本龍一佐藤義和里見まさと澤田隆治鹿内春雄島崎俊郎島田紳助島田洋七島田洋之介島田洋八清水ミチコ志村けん、詩村博史、笑福亭鶴瓶笑福亭仁鶴笑福亭松之助菅賢治、鈴木豊久、SMAP太平サブロー太平シロー高木ブー高須光聖高田純次高田文夫高平哲郎竹中功タモリ土屋敏男出川哲朗テリー伊藤てれびのスキマ常田久仁子所ジョージ、冨井善則、ナインティナイン永峰明中邨秀雄仲本工事南原清隆西川のりお野沢直子萩本欽一爆笑問題、秦野嘉王、浜田雅功林正之助、林誠一、ビートきよしビートたけし日枝久深見千三郎星野淳一郎ぼんちおさむ前田政二、柵木眞、松方弘樹松村邦洋、松本明子、松本人志松本竜介美空ひばり港浩一三宅恵介三宅裕司森昌行、安岡力也、山縣慎司山田修爾山田邦子山村美智子横澤彪横山やすし吉川潮、吉川圭三、吉田くんのお父さん、吉田正樹吉本隆明ラサール石井レイザーラモンRG、渡辺正行……。

「え、なんでこの人が出てくるの?」とか「誰?」って人もいるかもしれませんが、それは是非、本書を手にとってお確かめください!
何卒ッ!!

1989年はテレビバラエティの転換期だった! 「1989年」テレビ年表

今月2月17日、ついに新刊『1989年のテレビっ子』双葉社より発売になります!
正式には「たけし、さんま、タモリ、加トケン、紳助、とんねるずウンナンダウンタウン、その他多くの芸人とテレビマン、そして11歳の僕の青春記」という長ーいサブタイトルが付きます。

ページ数400ページになる単行本です。
内容はそのタイトルどおり、1989年をめぐるテレビに出る人、テレビを作る人、そしてテレビを見る人のノンフィクションにして、青春群像劇です!
つい先日、担当編集とともに約12時間におよぶ完全なる徹夜の最終ゲラチェックを終えましたが、改めて読み直しても「面白い!」と胸を張って言える自信作です!
それだけにこれが売れないと僕が路頭に迷う結果になってしまうので、是非とも買ってください!

1989年年表

「1989年」は、『オレたちひょうきん族』が終わり、『ガキの使いやあらへんで!!』が始まった、そして『ザ・ベストテン』が裏番組の『とんねるずのみなさんのおかげです』に追い落とされた、そんな年。
元号が「昭和」から「平成」に変わったのと同時に、テレビの世界も大転換を迎え、文字どおり「平成バラエティ」が産声を上げた年です。
そんな「1989年」のテレビを中心とした簡単な年表を作ってみました。

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立川吉笑はなぜ「お笑い芸人」ではなく「落語家」になったのか

先日、「水道橋博士のメルマ旬報」の忘年会がありました。
二次会には他の忘年会が終わって落語家の立川吉笑さんも駆けつけてくれました。
吉笑さんは処女作『現在落語論』が完成したばかりとあって上機嫌。その場で、その本の編集を担当した九龍ジョーさんからできたてホヤホヤの本を初めて渡され感激しておられました。僕も初めて自分の本ができたときの感動を思い出し胸がいっぱいになりました。
二次会も終わり、その後、九龍さんに率いられ僕らはゴールデン街に移動。
そこで“事件”は起きました。


隣のお客さんと喋っているうちになぜか変な空気になり、「落語を見せてくれ」という流れになってしまったのです。
プロの芸人に素人が簡単に芸を見せろという例のアレです。
吉笑さんはそれでも落語家の矜持からか、少し長めの小噺を披露したのです。
それはとてもよくできた小噺で面白かったのですが、既にあまりよくない空気になってしまっていたので、端から笑う気なんてなかったのでしょう。スベった感じになってしまったのです。
そのお客さんが帰った後、吉笑さんは次第に気持ちが昂ぶっていき泣いてしまいました。
それははたから見ればカッコ悪い光景かもしれませんが、僕にはそうは思えませんでした。
あまりにカッコ良かったのです。
「面白い」ことで笑わせたい、そんな思いがほとばしっているように思えました。

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ご報告と大事なお知らせ

突然ですが、かねてより念願だったTOKYO MXが見れるようになりました!
これで『5時に夢中!』とかが見れる!
ついでにスカパーしか見れなかったアンテナを新調してBSも見れるようになりました。
ありがたいことに、TVKチバテレビテレ玉も受信感度良さ気なので、理想的なテレビ環境ができあがりました。


というわけで、先週、福島県から東京に引っ越しました!
タモリは「東京」を「ほとんどが地方のカケラで作られた巨大都市」と形容していますが
僕も「地方のカケラ」のひとつになりました。
なので、仕事が増えないと大変困ったことになってしまうので、仕事ください!
もちろん、本も買っていただけると幸いです!
今後とも引き続き、ひとつよしなに!

1981年のタモリ

『ヨルタモリ』についてまとめたエントリを書いた翌日に『ヨルタモリ』終了のニュースが飛び込んできて動揺していますが、本日8月22日はタモリさん、70歳の誕生日! 古希! 希望です。昨日のエントリを読んでもらえば、この終了が悲観するものではなく、またタモリさんが自由に新しいことを始めるのだなと確信が持てて、希望が湧いてくるのではないでしょうか。littleboy.hatenablog.com
また、先日発売された『タモリと戦後ニッポン』がべらぼうに面白く、よりいっそうタモリさんの新しい展開が楽しみになってきました。
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タモリ「ちょっとね、生年月日、僕は言いたくないんですよ。だって、昭和20年8月22日生まれでしょ。ということは、昭和19年の秋、敗色濃い日本で、僕の両親は一体何を考えてんだということになりますから(笑)」(『NHKスペシャル』「戦後70年ニッポンの肖像」より)

と、タモリ本人が語るように、タモリは終戦の1週間後、1945年8月22日生まれ。だから当然、終戦70周年の今年、70歳の古希を迎える。

タモリ「戦争の前後1週間以内に生まれた人は、ぼく、ともだちには、いないんですよ。だから、ぼくは、『戦後にいちばん近い』っていう……。『戦後の象徴的な人物だ』と、自分では思っているんだけど、ま、誰も、そんなこたぁ、思っちゃいないですね」(ほぼ日「タモリ先生の午後2006」)

そんな「タモリの足跡を通じて戦後ニッポンの歩みを振り返る」というコンセプトで書かれたのが、8月20日に発売された近藤正高による『タモリと戦後ニッポン』だ。

タモリと戦後ニッポン (講談社現代新書)
近藤 正高
講談社
売り上げランキング: 131

これは、「ケイクス」にて連載されていた「タモリの地図---森田一義と歩く戦後史」を元に、新たな取材や資料などを踏まえ大幅に加筆修正されたもの。
僕の『タモリ学』をはじめ、あまた出たタモリ関連の書籍としては後発ではあるが、「結果的に、企画が出遅れたおかげで、関係者の新たな証言などを存分に参照し、検証を重ねながら連載を進めることができた」と著者が「おわりに」で書いているとおり(実際、僕の名前や著書が「おわりに」や「参考文献」のみならず本文中にも何度も出てきて恐縮でした。しかも書籍や大タモリ年表のみならず、ブログ記事にまで言及されているのには驚きました)、タモリ史を巡る本として決定版ともいえるだろう。
だから今からタモリのことを詳しく知りたいという人は、タモリ史についてはこの『タモリと戦後ニッポン』を、タモリの哲学については『タモリ学』をまず読んでもらうと間違いない(あつかましく宣伝)。

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タモリにとって「ジャズな人」とは何か---70歳の『タモリ学』

明日、8月22日をもってタモリさんは、70歳の誕生日を迎えます。古希!
というわけで、昨年も誕生日に合わせて「大タモリ年表」を更新しましたが、今年も一部修正を反映した上で、この1年を追記して更新しています!matogrosso.jp
この年表を見ても分かる通り、タモリさんは実に精力的です。
『いいとも!』が終わって少しはゆっくりするのかと思いましたが、ますます元気。特に69歳になって以降の働きっぷりには驚かされます。
https://41.media.tumblr.com/8aafeaf19545864ba3b089b66c9311c6/tumblr_nsa1wdxgay1qkivfoo1_540.jpg
中でも特質すべきはやはり昨年10月から始まった『ヨルタモリ』と、今年4月から新シーズンが始まった『ブラタモリ』でしょう。
とりわけ『ヨルタモリ』は「タモリ史」を語る上でも極めて重要な番組ではないかと思います。

「あの人(タモリ)は32年間聞き続けてきた。もう飽々したんだよ。今度はオレのことを聞いてよって。32年間聞いたんだよオレは、昼間からって」

タモリ扮するジャズ喫茶の店主「吉原さん」はそう言っています。
『ヨルタモリ』でタモリさんは常に誰かに「なりすまし」しています。だから、今まではあくまでもゲストを迎える「聞き手」でしたが、「なりすまし」して自分ではないからこそ、逆に自分の考えや話を積極的に話してくれるようになりました。
それらの話を聴いていると、おこがましいことを言えば、『タモリ学』に書いたことの答え合わせをしているかのような感覚に陥ることがよくあります。

(以降、引用部分はタモリさんが誰かに「なりすまし」した上で語ったものが大半ですが、タモリさんの発言として引用しています)

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永野の“メジャー志向”

最近、テレビで永野をよく見ます。
ほんの少し前まで「カルト芸人」などと言われ、テレビ向きではないなどと評されていたとは思えない活躍っぷりです。
最近ではスマホゲーム「剣と魔法のログレス」のCMにまで抜擢されました。
また、7月21日発売の写真週刊誌『FLASH』(8/4号)では、「あなたはキモ芸人・永野を知っているか?」と特集も組まれる勢いです。

(※画像をクリックすると「『FLASH』捧げる歌」動画に飛びます)

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