2009-07-04

2009年ももう半分が過ぎましたので「てれびのスキマ」的にテレビのお笑い界隈を振り返ってみたいと思います。

ＭＶＰ

・まずＭＶＰは『お試しか』の「帰れま１０」を筆頭に各所で活躍したブラックマヨネーズ。
特に小杉は、ひとついじられれば、ほぼ確実にその数倍のツッコミと笑いを必ず返す。彼らがいない時にもよく名前が挙げられるなど、周りの芸人たちからの信頼の厚さが伺えます。

・次点は、昨年の「てれびのスキマ」的ＭＶＰの有吉弘行。特に上半期前半の大活躍は凄まじく、やや落ち着いた感のある現在も抜群の安定感と切れ味で、孤高の「お笑い（テレビ）批評芸人」として当分活躍してくれるでしょう。さらに「ゴッドタン」「ホリさまぁ~ず」などで見せる大喜利的な能力も高く、意外と*1「何でもできる」使いやすいタイプであることもポイントが高いのではないでしょうか。

・他に印象的だったのは「しゃべくり００７」や「侍チュート」といったレギュラー番組で、存在感が増す一方のチュートリアル。特に福田の活かし方、活かされ方を本人はもちろん、周囲もしっかりと認識された感じ。
・またはるかが倒れピンチかと思われたハリセンボンの近藤春菜だが万能ぶりを見せ逆に評価を上げたのではないかと思います。

・ミキティとの婚約発表で遠慮のなくなった庄司や、「やりすぎコージー」や「ホリさまぁ〜ず」などでしっかりとした仕事をしているフットボールアワーの後藤も地味ながら再評価をしたいと思える活躍でした。

新人＆ネタ見せ芸人

・新人と呼べる芸人の中では文句なくオードリーとはんにゃ。２組とも強烈なキャラと地味ながら才気あふれる実力者の組み合わせ*2。上半期すでに２周目に入ったオードリー、おそらく、下半期にははんにゃが２周目にはいっていくことでしょう。「じゃない方」にしっかりとした実力があるので、下手なことしなければ単なる一発屋では終わらないんじゃないかと思います。
・ネタ見せ芸人の中では何と言ってもキュートン。凄く好きです。
・バカリズムも相変わらず、素晴らしい。今田耕司が「一番面白い」と名を上げるなど、まさに現役最高のネタ見せ芸人といえるのではないでしょうか。今だに新しいフォーマットを作り続けているのがすさまじすぎる。

その他

・昨年末芸人以外で気になる人物として名前をあげたら、「はてなでテレビの土踏まず」さんも反応していただいて、そうこうしてるうちに、彼がメインの新番組「バンバンバン」など、さらに目覚ましい活躍を見せた板東英二。他にも「お試しかっ！」や「みなさんのおかげでした」などなどでピンポイントで爆笑を掻っ攫い、０９年上半期の非芸人ＭＶＰは間違いなく彼でしょう。

ベスト番組

・番組単位では『しゃべくり００７』が今年最も躍進した番組でしょう。ゲストがお笑い芸人の時はもちろん、それ以外の時も（いや、それ以外の方がむしろ）弾けまくり爆発的に面白いという不思議な番組。

・他にリニューアルした『草野☆キッド』や『アドレな！ガレッジ』が地味ながらコンスタントに面白かったです。

・また今年は新番組に当たりが多かったように思います。大きなお笑い史に残るような新番組は辛うじて『笑・神・降・臨』や『爆笑レッドシアター』くらいでしょうが、『Ａ−Ｓｔｕｄｉｏ』『バンバンバン』『侍チュート！』『フットンダ』『スクール革命』『飛び出せ！科学くん』と小さいながらも良い番組が続出しています。

・特に『飛び出せ！科学くん』と『侍チュート！』はノーマークだっただけに嬉しい誤算でした。『科学くん』は出演者、製作者が心底楽しんで作っているのが伝わってくるいい番組です。

・特番では何と言っても『ザ・ドリームマッチ』と『東野・岡村の旅猿プライベートでごめんなさい』。

ベスト企画

・企画単位では『お試しかっ！』の「すべて当てるまで帰れま10」や『ゴッドタン』の「非吉本芸人団体芸サミット」、『ロンドンハーツ』の「狩野英孝ドッキリ」「鳥居みゆき２４時（?）」、『ホリさまぁ~ず』の「ドーンボーリング」「男気スポーツナンバー1決定戦」そして『アメトーーク』の「○○じゃない方芸人」「愛方大好き芸人」「芸人ドラフト会議」などが印象的だった。

・そんな中で『飛び出せ！科学くん』の「風船カメラで青い地球を撮る！」は必ずや何らかの賞を受賞するであろう傑作。唯一の不満はなぜこんな凄いものを、さほど注目されない通常の放送で（しかも１回分=３０分だけで）やったのか、ということ*3。科学的、教養番組的にももの凄く価値があるし、ちゃんと笑いも忘れずに作っていてお見事でした。