2009年を振り返る(書籍編)

2009年はかつてないほど、お笑い&テレビ関連の本が充実した1年でした。そんな中、個人的に特に心動かされた本を厳選して10冊紹介します。

splash!! vol.2』

M-1グランプリ ―戦いの先の試練―」と題して、芸人たちのM-1後の闘いに視点を置いたありそうでなかった第1特集、そして2009年大躍進したブラックマヨネーズを徹底解剖した第2特集「ブラックマヨネーズが愛される理由」など、全編濃厚なインタビュー記事が充実。僕が片隅に参加してしまっているマイナスポイントを差し引いても、2009年のテレビ関連本におけるブック・オブ・ザ・イヤーは間違いなくこの本です。

『SWITCH』(7月号)

SWITCH vol.27 No.7
SWITCH vol.27 No.7
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新井敏記
スイッチパブリッシング
売り上げランキング: 30092

個人的にテレビお笑い界の現役で活躍している芸人の中で現時点でのトップは今田耕司笑福亭鶴瓶だと思っています。本書はそのうちの一人である鶴瓶を約60ページにわたって特集。個人を特集した雑誌でこれほど充実し、読ませるものは数少ないと思います。鶴瓶がいかにして今の地位まで昇りつめてこれたのか、そして彼の底知れぬ魅力が凝縮した一冊。

『本人vol.11』

本人vol.11
本人vol.11
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三宅恵介 有吉弘行 吉田豪 明石家さんま
太田出版
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最近の明石家さんまのロングインタビューといえば「ほぼ日」の傑作「さんまシステム」くらいしか思いつきませんが、それに勝るとも劣らないさんまの貴重な巻頭インタビュー。特に、師匠松之助からの影響にスポットを当てた独自の視点が興味深く、彼がいかにして今の明石家さんまを作り上げて行ったのかがよく分かるような気にさせてくれました。また、吉田豪による有吉弘行インタビューもあり読み応え満載です。

『竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。』

いまやまさかのテレビお笑い界の中で売れっ子集団にまで成長した竜兵会。土田、有吉、劇団ひとりといったメンバーが竜兵会という摩訶不思議な集団とその現象について様々な角度から語られた本。特に有吉のインタビューは後にこれを少し膨らませて新書「嫌われない毒舌のすすめ」が出版されるほど内容が濃いものでした。また、このインタビューの模様などを収録したDVDも付いてきます。この中の土田の竜兵伝説も爆笑必至。

『お笑いパーフェクトBOOK』

1000本以上のお笑いDVDのデータが網羅された、僕のようなデータ本好きにはたまらない本。
またデータだけでなく、関根勤伊集院光高田純次バナナマン劇団ひとり千原ジュニアバカリズムなどのインタビューも充実。

『夜にはずっと深い夜を』(著:鳥居みゆき

鳥居みゆきの底なしの才能を知らしめ、なおかつその不可思議な存在をさらに深めるかのような短編小説集。

『のはなしに』(著:伊集院光

のはなしに
のはなしに
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伊集院 光
宝島社
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もう何十冊と書いているかのような安定感。やっぱり僕は書き手としての伊集院光に一番しっくりくるし、魅力を感じます。

『ザ・テレビ欄2 1991〜2005』

ザ・テレビ欄 2 1991~2005
テレビ欄研究会
ティー・オーエンタテインメント
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過去のテレビ欄をただ載せるだけというこの本が、これほど面白く、何時間も飽きないものかと、想像も出来ませんでし……、いや、僕はわかっていました、買う前から。前からこんな本がほしいと思い描いていたので、その存在を知った時、心踊りました。各世代で、どストライクな時期が違うと思いますので年代を選んで、まずは自分の少年少女時代のものを買えばいいのではないかと思います。

『自己プロデュース力』

自己プロデュース力
自己プロデュース力
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島田 紳助
ワニブックス
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言わずと知れた名作DVD『紳竜の研究』の第2章の活字化。島田紳助が好きな人はもちろん、受け付けられない人も読めばきっと感銘を受ける部分の多いハズ。

『PLANETS』


一応ミニコミ誌ですが、そこいらの商業誌とは比べ物にならない内容の濃さ、充実度。特に本号は、「お笑い特集」として、現在のお笑い批評の下敷き、ベースとなるような内容です。また、ドラマ『銭ゲバ』を巡る岡田恵和のインタビューは必読。