1−3月期のドラマを振り返る


■全話見たドラマ
ヒミツの花園」「相棒」「ハケンの品格」「拝啓、父上様」「花より男子2」「ハゲタカ」「百鬼夜行抄」「仮面ライダー電王」(継続中)
■途中まで見たドラマ
「東京タワー」「今週、妻が浮気します」「演歌の女王」「華麗なる一族


よく「映画は監督のもの」と言われるけど、「ドラマは役者のもの」と言っても過言ではないのではないか、と思わせるような2作が、全体的に低調だった今期のなかで傑作といっていいのではないかと思います。*1


その役者本来が持つ魅力を存分に引き出した「拝啓、父上様」。
特に八千草薫のキュートさは反則級。今期の助演女優賞はこの人しかいないでしょう。というよりも、表向きは二宮和也主演だけど裏の主役は間違いなく彼女で、森山良子が歌う主題歌も彼女のテーマソングといった感じでした。「揉んだな?」は今期屈指の名台詞。
もちろん二宮和也も素晴らしかったです。彼をただの優柔不断な優男にしない演出や、単純に“出来ない奴”を出さない脚本も好感が持てる。そういう“出来ない奴”として安易にキャラ付けされそうな役柄だった横山裕でさえ、仕事もちゃんと出来る男として描かれていました。


「ハゲタカ」も濃密でした。
大森南朋主演という思い切ったキャスティングも凄いし、その起用に応えて見事に演じきった大森南朋も素晴らしい。
そして何より、松田龍平の存在感は圧巻でした。松田優作の雰囲気を漂わせながらも、彼独特の世界観を身につけ、デビューの頃とは見違えるような役者に。八千草薫と並び、今期もっとも印象に残った役者でした。
彼の台詞「とんだ茶番だ」は、3話までの情の入る余地はない冷徹ともいえる展開から一転、第4話での1話丸まる使った人情劇を最後で否定してみせる鳥肌ものの台詞でした。そして、その後また前半のテイストに戻ると見せかけて、単純にそうすることはなく絶妙な落としどころに持っていく脚本は見事でした。
あと今期のベスト脇役は1話に登場した宇崎竜童でしょう。


こういった大人の男達のかっこよさを描いた秀作として忘れてはいけないのは「相棒」。
毎シリーズ安定した満足感を得られる本作はやはり今回も面白かったです。
特にこの作品における岸部一徳は出てくるだけでお得感があり、今回もvs夏八木勲など美味しいところに登場していました。


今期は役者同士のコントのような掛け合いを最大の見所とするドラマが多かったような感じ。
ハケンの品格」の大泉洋×篠原涼子大泉洋×小泉孝太郎大泉洋×安田顕
仮面ライダー電王」のモモタロス×ウラタロス×良太郎。
ヒミツの花園」の4兄弟や真矢みき、とか。
その他に印象に残ったのは、「花より男子2」で加藤夏希がまさかの表舞台復活を果たしたこと。

*1:ただ、各所で絶賛の「風林火山」を見てないのが悔やまれるところ