最近の気になる話題

■「さんまのまんま」に阿部サダヲ

松本人志登場も凄いが、こっちも面白そう。
放送は関西テレビでは5月25日、フジテレビでは6月8日。
http://www9.big.or.jp/~otona/page004.html
ちなみに各所で話題になっているとおり松本人志の登場は6月1日。


ふかわりょうのエッセイ「無駄な哲学」発売

無駄な哲学
無駄な哲学
posted with amazlet on 07.05.13
ふかわ りょう
ゴマブックス (2007/05/09)
売り上げランキング: 57839

YOUTUBEでBGM「ニャースのうた」犬山イヌ子

あおい あおい しずかな よるには
おいら ひとりで てつがく するのニャー

この間、初めて聴いて心に沁みた。

「たま」のランニング

これは2004年2月にびあ株式会社から出版された僕のバンド自叙伝的な本です。
今回、絶版になっていた同書を出版社の許可を得てここに無料で公開します。
僕に興味のない人でも「たま」や1980年代から2000年初頭頃の音楽シーンに興味のある方、もしくは単に馬鹿話が好きな人も気軽に読める一冊です。

>>「たま」という船に乗っていた(石川浩司)

しかしそれでも人はおかしいと言う。動きがなんだかおかしいと言う。
 でも動きはしょうがないのだ。小学生の頃、体育の時間にまず準備体操をする。ラジオ体操第一とか第二とかそういう感じの体操だ。先生の動きを見て、先生と同じように動く。先生が手を上げれば上げるし、屈伸をすれば屈伸をするのだ。
 ところがなぜか石川君だけ動きが違うと言われる。どうも何か決定的に石川君だけが違う動きをしているというのだ。
 前によばれる。先生がちょっとここでひとりでやってみろと言う。
 やる。


「どっ!」


 笑いの渦。
 例えばそれは文章で表わせばちゃんと手も上げてるし屈伸もしているのだけれど、全然他の人とは似て非なるものだという。はっきり言えば、物凄い不器用で、もしかしたらこれはふざけてるのかしらん、人を笑わそうとわざと変な動きをしているんじゃないのかしらん、と誤解されるほどだったのだ。
 そこで石川少年は考えた。涙をふいて考えた。この不器用は直らない。医者に行こうが直らない。勉強しても直らない。ネジをしめても直らない。直らないったら直らない。だけども落ち着け周りをみれば、どうやら皆な笑っているぞ。どうやら皆な楽しんでるぞ。不器用ブザマは笑顔の元よ、俺の悲劇は他人の喜劇、こりゃいいわー。こりゃいいわー。・・・こりゃいいか? ・・・まぁいいわー。本当にいいか? 面倒くさいからいいわでいいわー。
 そして俺は考えを改めた。
 「楽しまれる不器用」を目指そうと。
 不器用のエキスパートを目指そうと。
 俺は人の笑顔を見るのが、何よりも好きだったのだ。


 だから人前で何かやる時は、自分の不器用を少し誇張して出すように心がけた。そのうち自分でも自分の動きがどこまで意図的なのか、よくわからなくなった。
 あぁよかったと思った。
 何年もそうしているうちに「意図すること」の方が自然になったのだ。だから逆に言えば俺の「自然」とは、必然的に意図のある状態ということになる。
 そして不器用に反抗しなくてよかったとも思った。それは多大な努力の割に、報われるものは少ないように思える。全ては流れのままに。
 不器用人間は、違う霊長類の生き物である。
                   (「まえがき〜ランニングと坊主頭の秘密〜」より)