「てれびのスキマ」的2008年最優秀作品

番組単位ではなく、一つの企画や一度の放送を一つの作品として捉え、その中で2008年に放送された印象深い作品を振り返っていきたいと思います。
なお、「鶴瓶カレンダー」とか「ガキの使いSP」とかの年末特番は外しています。

1位 FNS27時間テレビ!!みんな笑顔のひょうきん夢列島(フジテレビ)

間違いなく08年を代表する番組。もうオープニングから27時間全編が見所という奇跡のような作品に仕上がった。さんまイズムが隅々まで浸透していて、この番組をどう捉えるかで、その人のお笑いテレビ観が非常に分かるという不思議な機能も果たした。
名場面、名文句も満載で、島田紳助はもとより、久々にビートたけしのお笑い芸人の魂を呼び起こし、ダウンタウンまで僅かながらも担ぎ出したのは凄かった。そして、いまや今田耕司こそがテレビ界の芸人の中でトップの一人だということを改めて満天下に見せつけた。

2位 お金でおっぱいを見せる女性は日本に何人いるのか?童貞作家寺坂VS夏目ナナ完全版(「とにかく金がないテレビ」より)

やりすぎコージー」などで「イマヒガチルドレン」と呼ばれた童貞作家寺坂直毅が「お金でおっぱいを見せる女性は日本に何人いるのか?」という調査をする企画。
しかし、調査の過程で出会った風俗嬢に淡い恋心を抱いたことで、徐々にその企画の様相が変化していく。
潔癖な性倫理を持つ寺坂に夏目ナナが、そのトラウマを解きほぐす様は、まさに笑いながら泣ける名シーンだった。<関連記事>「ボーイズ・オン・ザ・ラン」〜童貞作家寺坂直毅(イマヒガチルドレン)の恋

3位 イッツジー・ショッピング『勃起王』(「ガキの使い」より)

ガキの使い」鉄板の板尾企画の中でも、異質だったこの作品。
いつもはゆるい番組パロディを板尾と板尾の嫁が強引にそのキャラで理不尽に展開する企画だったが、嫁が変わったのが影響したわけではないだろうが、この作品は妙に完成度が高く、通販番組を完璧にパロディにした。だから、これは別に板尾企画でやる必要はないような感じだったけど、そのバカバカしさは絶品だった。
他に2008年の「ガキの使い」では、三谷幸喜がゲスト出演した「サイレント図書館」や「山崎邦正プロデュース」、「山崎歌劇団」などが印象に残った。山崎邦正の活躍が目立った。

4位 第2回ゆるキャラ王選手権(「TVチャンピオン2」より)

2006年に続き開催された待望のゆるキャラの祭典の第2弾。
2008年には流行語にもノミネートされるほど世間的にもすっかり認知され、満を持しての開催となった。
今回も期待にたがわぬ、バカバカしさとキュートさで、抱腹絶倒の作品に。
ゆるキャラが完全にブームになってしまったことや、「TVチャンピオン2」自体が終わってしまったことで、第3回が開催、放送される可能性が低くなってしまったのが残念。

5位 「東野・岡村のプライベートでごめんなさい…インドの旅」(TBS)

08年の年始番組の中で最も印象に残った本作。
東野と岡村がただインドを二人で旅をするという企画。
最初はネガティブだった岡村が時間を追うごとに前向きに旅を満喫にしていっていたのに対し、最初は楽天的に楽しんでいたのに、どんどんイライラし消極的になっていく東野の態度の対比が面白かった。
ところでこの企画、岡村がラジオで視聴率が悪くてTBSで放送してくれなくなったから、09年は日テレで放送される、という話をしていたが、この番組を放送しないと決めたTBSは本当にどうかしてる。そして、逆に放送局を変えてでも第2弾を作ろうとしているスタッフ、出演者は素晴らしいと思う。
いつ放送になるかまだよく分からないが、早く観たい。

6位 インスタント女王様決定戦(「神さまぁ〜ず」より)

オーディションの面接を受けるグラビアアイドルを、別室から無線司令でSM女王様に即興で仕立て上げるという企画。設楽、山里といった企画意図を最大限表現できる芸人をキャスティングし、「神さまぁ〜ず」最大の当たり企画となった。この後、この番組(「さまぁ〜ず式」含む)で、何かと重宝される手島優を輩出したことも大きい。

7位 徹子の部屋芸人(「アメトーーク」より)

数多くの名物企画を多数生みだした2008年の「アメトーーク」。そんな中で個人的にもっとも印象に残ったのは「徹子の部屋芸人」。この企画以降もともと面白かった「徹子の部屋」の芸人ゲストの回がさらに楽しめるようになった。
他にも、他番組にも大きな影響を与えた「家電芸人」や「ホリケン&ほっとけない芸人」「出川ナイト」「熟女芸人」「中学の時イケてないグループ芸人」などなどが個人的に印象に残った。

8位 あの人ならこんなこと言いそうだなぁ選手権(「虎ノ門」より)

リニューアルや中断を繰り返しながら続いてきた「虎ノ門」も終わってしまったが、そんな中で2008年の「虎ノ門」で最大の当たり企画が「あの人ならこんなこと言いそうだなぁ選手権」。
「細かすぎて伝わらないモノマネ」企画の系譜にあたるであろう企画だが、上手く細部を詰めれば、すぐにでもゴールデンタイムで特番もできそうだっただけに、番組自体が終わってしまい、そのままこの企画も消えてしまうとしたら、実にもったいない。

9位 M女オーディション(「ゴッドタン」より)

「第4回キス我慢選手権」「芸人マジ歌選手権」「アイドルにおっぱいを見せてもらえ!」などの名物企画は相変わらずハズレなしで面白いが、2008年の新企画の中で良かったのが「M女オーディション」。
有吉の魅力を最大限発揮できるバカ企画。

10位 同期さんいらっしゃい!<ゲスト:爆笑問題太田光代>(「めちゃイケ!」より)

2008年も低迷が続いている「めちゃイケ」の中にあって、光っていたこの回。
爆笑問題太田光代を招いての「同期さんいらっしゃい!」。
もう「検索ちゃん」をはじめ数多くの番組で取り上げられている太田夫婦のおかしな生活だが、この番組では、太田光ナインティナインとの珍しい組み合わせで、いつもよりテンションが上がっていて、しなくていい話までしていて面白かった。

次点

他には「着信御礼!ケータイ大喜利」の松木安太郎を読み手に配した回や「くりぃむナントカ」の<上田がバカならバカ騒ぎ>やバナナマン出演の「笑・神・降・臨」、「タモリボキャブラ天国大復活SP」、「みんなでコント会議」などが印象に残った。