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ウド鈴木が“猛獣”たる所以

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テレビ神奈川で以前放送されていた「ウドで訊く!」という番組をご存じだろうか?
「お笑い界の第一線にいながら、番組司会者にはおよそ向かない孤高の芸人ウド鈴木がホストを務めるトーク番組」である。
もうこの企画をたてた時点で半分成功が約束されたようなものだが、実際にとても面白い作品に仕上がっていた。

ホスト役のウドは耳にイヤフォンをつけ、そこから聞こえてくるスタッフの指示に従って、空気を読まずに、ゲストに聞きずらい質問をぶつけていくのだ。
ウド鈴木といえば、その特異なキャラクターから、イロモノ的扱いを受けている。
しかし、キャラクターだけで第一線にいつつけられるほど今のお笑い界は甘くはない。デビュー当時のキャイ〜ンを見て現在の彼らの地位を予測できた人はどれだけいるだろうか?
ウド鈴木が時に「猛獣」といわれる所以は、見た目とは裏腹な、その瞬発力や豊富な語彙と言葉選びの独特さによるところが大きいのではないか。特にここ数年*1、際立って目立っている。
この番組は、困ってパニック寸前となり、慌てふためくウドから飛びだす言動を楽しむ番組である。


例えば、プリンセス天功がゲストの回。
そこで、天功が金○日から求愛されている話を引き出したウド。

スタッフ 「金○日さんの話に戻します。ぶっちゃけつきあってるんですか?」
(※スタッフの声はウドちゃんにしか聞こえていません)
ウド 「あのぅ…、プリンセスが凄すぎて、あれなんですけど……、プリンセスは地球の中で、一番のプリンセスだと思うんですけど、正直、どんな男の人も、どんな猛獣も……」
スタッフ 「金○日さんとは、ぶっちゃけ付き合ってるんですか?」
ウド 「あ、ま、あ、ん、あ、これ、なんていうんでしょうね、一つの仮説として、仮定としてですね、えーと、プリンセスは金○日さんと付き合ってるんですか?」
天功 「私は付き合ってない」
スタッフ 「え?どういうことですか? 金○日さんは?」
ウド 「プリンセスは付き合ってない。向こうは?」
天功 「あのぅ、一夫多妻の国じゃないけど、そういうような考えがある、トップの人ってみんなそうなんで」
スタッフ 「ぶっちゃけ夜をともにしたことはあるんですかね?」
ウド 「うぅーーん、いやぁぁ」
スタッフ 「金○日さんと、朝まで過ごしたことはありますか?」
ウド 「いやぁーー、あのぅ、僕は情緒不安定ではないんですけれども、うーーん…」
スタッフ 「ウドさん、最後の質問行きましょう!」
ウド 「いやぁーー! プリンセスあのですね、あの、プリンセス! 正直、プリンセスのタイプっていうのを」
スタッフ 「タイプよりも夜を共にしたことがあるかどうかを訊いてもらえますか」
ウド 「プリンセスのタイプをお聞きしたいんですけどねぇ〜」
スタッフ 「タイプは後でいいんじゃないですか?」
天功 「心が真面目な人」
ウド 「見た目じゃなくて……」
スタッフ 「ウドさん! ウドさん、金○日さん」
ウド 「わたしが愚か者という代名詞…、なんです。この質問をプリンセスにしたら、あのー、僕をイリュージョンで消していただきたいです」
スタッフ 「消してもらいましょうよ! 言って消してもらいましょうよ!」
ウド 「いや、僕ねぇ、そうですねぇ〜、もう、答える答えないは自由で、ホントに、ただ一つ、ただ一つ、僕が懸念するのは、他でもないプリンセスに言うことに、すぅうぅーーー……、切なさよ、辛さよ、生き地獄であるという意味をこめて……、すみません、今、ご理解いただければ……、プリンセス!金○日さんと、えーと、『あーー、もう朝だ』というふうに過ごしたとことはありま〜すか?」
天功 「ま、誰でも朝は迎えるからねぇ(笑)」
ウド 「はぁー、はい。ぁりがとうございます(声裏返って)」

元来「誰かに何かを聞いてしまっても聞かなかったことにしている」という根が優しいウドだからこそ、余計にパニックになる。
「愚か者という代名詞」、「切なさよ、辛さよ、生き地獄で」とか「あーー、もう朝だというふうに過ごした」とかというような言葉が出てくるのがウド鈴木の真骨頂だ。
他のゲストの回では、「性欲の処理」の質問を指示されると、「自分のマグマのように噴き出してくるものって」と表現したり、明らかな事実を「都市伝説」と言ってみたり、独特の言葉選びが冴えわたる。


そして、この番組はゲストの人選が絶妙だ。
あの落合福嗣に始まり、高橋名人大木凡人矢追純一森達也大沢樹生福本伸行、小桜セレナ、そして天野ひろゆき。興味をそそられるゲストばかりだ。
先日、発売されたDVDにはこの中から落合福嗣プリンセス天功大木凡人天野ひろゆきと、選りすぐりのくせ者ぞろいのゲストの回が収録されている。個人的にはTVKでの放送は見れなかったので、このDVDに収録されてない回もぜひ観てみたい。


それにしても驚いたのは落合福嗣のイメージの変わりよう。傍若無人な悪ガキという感が強かったが、そんな雰囲気はもうまったくなく、ちゃんと大人の受け答えで当たり前に敬語を使う好青年に成長していたのは失礼ながら目を疑った。
話の内容も面白く、引きこもりからの脱却などのエピソードなどはちょっと感動すらしてしまう。本放送ではカットされていた童貞喪失の時の詳しいエピソードもDVD特典で収録されているがこれも興味深い。
あと、何気にちょっとおもしろかったのが、プリンセス天功が「日本人の人でこういう人っていいなぁ、って思う人がいる」と言って挙げたのが、「(ずんの)飯尾さん」。<関連>
ウド鈴木の恋文 
キャイ〜ン・ウド鈴木の天才的能力と相方天野君の知られざる苦悩

*1:特に「リンカーン」や「アメトーーク」などで名言を連発している