「マツコの部屋」というカオス

今期いくつかの新番組が始まりましたが、その中でも異彩を放っているのがマツコ・デラックスが出演するフジテレビの「マツコの部屋」。*1いい感じにふざけてます。
実際の映像を見てもらうのが一番ですが、今のところネットの中を探しても無かったので、どこまでその魅力が文字で伝わるかは分からないけど書き起こしてみたいと思います。

何もない部屋の中央にひとり座らされているマツコ。

その部屋の隅にスタッフがひとり。その男に向かい口を開くマツコ。

なに、しゃべろっていうのよ、私に?
ていうかあんた誰よ?

「僕はディレクターの池田と申します」と自己紹介するスタッフ。

マツコ: 「マツコの部屋」でしょ? ゲストとかは?
池田D: すみませんゲストの方はいないんです。
マツコ: じゃぁ、私一人で喋るの?
池田D: あのトークのきっかけになるようなVTRだけは用意してあるんで。それ見てちょっと斜めのトークでお願い出来れば。尖がったヤツ、いつもの感じのヤツで大丈夫です。
マツコ: お前に何が分かってんだよ!
池田D: V見て、角度のあるコメントで、15分行っちゃえ!っていう。……、ちょっと最初から怒るのだけはやめてもらっていいですか。
マツコ: 私怖い?
池田D: ちょっと怖いです。でかいし。……見ましょうか?
マツコ: テメェ、このヤロウ! ホント!
池田D: 見ましょう! とりあえず見ましょう!

マツコを「怖い」と言いつつ、思いっきりおちょくる池田D。

VTR(1)「上阪神(上半身)」、「下阪神(下半身)」というダジャレを映像化した数秒のVTRが流れる。

VTRが半端なくしょーもない。しかも短い。ここから、マツコが絶句して、沈黙することが多くなる。

マツコ: ……(絶句)、ぇえええ〜。こんなことやってくの、ずっと!
池田D: はい。
マツコ: だって、何でこの番組が始まったか意味聞いてる?
池田D: (無視して)今のVTRの感想だけ頂いていいですか、先に。
マツコ: ……。
池田D: どうですか? 「上阪神」、「下阪神」。
マツコ: いや、ま、面白かったわよ。
池田D: よし!
マツコ: ……でも、だからなんだ?って話じゃない。
池田D: ちょっとトークのほう行きましょうか。
マツコ: だから、アレでトークしろって話なの?
池田D: タイガースでちょっと斜めの感じのトーク、お願いします。
マツコ: ………………、タイガース?
池田D: あんまり興味ないですか?阪神に。
マツコ: いやいや、阪神に興味あるかないかっていわれたら、あんまりないわね。

池田Dは、「メジャーにもタイガースがある。日本はなんで欧米の真似ばかりするのか」などと話題を振るも、マツコは「だから何?」と困惑。
話が続かず困ったD。つい先ほどまで、VTRの感想にこだわっていたのにすぐにそれを翻す。

池田D: たとえば、じゃあ、マツコさんの興味のある話をしていただいていいですか?
マツコ: ……フフ、ええぇー。
池田D: じゃ、次のVTR行きましょう。
マツコ: テメェ、このヤロウ! ホント!

VTR(2)「ハロウィンの煮付け」(カボチャがハロウィン仕様の煮付けの画像)

このくだらない映像に、この番組で初めて前のめりに食いつくマツコ。

マツコ: ふふふふ、馬鹿だねぇ(笑)。
池田D: どうですか?
マツコ: これ、いいわね!
池田D: ホントですか!
マツコ: うん、これはいいわぁ。
池田D: 欧米のハロウィンを煮てやったっていう。
マツコ: あ! なるほどそれ*2に繋がってるのね。(欧米を)小馬鹿にしようってことね! あぁぁ、いいんじゃない。これこそ斜めじゃない。「上阪神」、「下阪神」は……、私は好きよ! でも、あんたがいるから素直に笑えないの。私、いま。

それでも、さすがに数秒のVTRでは話が続かない二人。

マツコ: ちょっといい? ひとつ質問して。VTR短すぎない? VTRきっかけにっていう割には……。じゃあ、あれは何、ハロウィンの話とかすればいいの?
池田D: そうですねえ。
マツコ: それとも煮付けの話?
池田D: そう、そうです! 「煮付け」ないし「カボチャ」の話で行っていただければ。
マツコ: ……、そもそもハロウィンってのは何なの?
池田D: 収穫祭ですよね?
マツコ: あら!
池田D: あ、違ったかな。
マツコ: まあ、いいわ。私もハロウィンは今、やることないと思うし。
池田D: 欧米のアレですもんね。
マツコ: フン(鼻で笑う)。

しかし、ハロウィンにしても煮付けにしてもカボチャにしても、もちろん、そんなに話題がなく困惑し、どんな話をすればいいのか、と問うマツコに池田Dは「プロデューサーから下ネタだけはちょっとダメだと、言うんで、下だけは厳禁で行きましょうか」と言い放つ。
先日放送された「ガキの使い」での「マツコ・デラックスの500のコト」では、特技は「テレビじゃ言えません」、ストレス解消法は「すっごい妄想」、「やらしてくれるなら、そりゃ1回目からやるわよ!」最期にやりたいことは「(即答で)SEX」などと答え、松本人志に「(性欲が溜まりすぎて)もう表面張力になってる。1円玉1枚入れたらこぼれる」とまで言われたマツコ。

マツコ: 下無し? …………、キっツイわぁー。あんた、あたしとさぁ、今度、親交を深めるためにもさ、ちょっと軽く呑みにでも行く?
池田D: あ、はい。
マツコ: そうすれば分かる。あたしのことがだいたい。あたしホント、基本的に下よ
池田D: へへへ。……、吸ったりするのはちょっとダメです。
マツコ: 吸ったり!? ……それ、すごいアウトだと思うんだけど。
池田D: とりあえず……。
マツコ: うん、この話止めた方がいいと思うわ。

想定した以上の「下」表現に逆に引いてしまうマツコ。慌てて話を変える。

池田D: マツコさんのデラックスっていうのは何がデラックスなんですか? 
マツコ: ……。
池田D: 大きさ、ですか?
マツコ: ふふ、何だろうね。
池田D: VTR行きましょうか。
マツコ: フ、なーんか、やりづらいわね、この番組。何かもうちょっと、あんた、考えなさいよ!話しやすいようにポーンって振って見てよ。
池田D: 台本も1枚しか、こんだけしかないんですよね。
マツコ: ふっふふふふふ。
池田D: これくらいでいいかなぁ、と思って。
マツコ: ああぁ。ねえ、これさぁ、「ダイバスター」終わらせてやる番組? ちゃんと作ってたじゃない、あの番組って。バカバカしいとはいえ、すごいちゃんと作ってるな、っていうのが見る人に伝わってたでしょ? これ伝わらないよォ〜
池田D: VTR行きましょう。

この後も「足立区の足立さん」とか、「足立区の安達さん」なんていうしょーもないVTRが流れ、それについて無理やり話すという流れが展開される。

池田D: 撮れ高がもうあったと思うんでエンディング行きましょうか?
マツコ: ハァ(怒)!? エンディングです、っていうエンディングしなきゃなんないの?
池田D: そうですね。あっちのカメラに手振ってもらえれば大丈夫です。
マツコ: テメェ、このヤロウ! ホント!

カオスすぎる……。

*1:ところで、テレビ東京では大江さんをメインに据えて「麻理子の部屋」なる名前だけが似た番組が始まりましたが、こちらはハッキリ言ってもの凄く下衆いです。スタッフの下品な感性が透けて見えて嫌な感じ。けど、それでも大江さんは可愛らしくて見てしまう。下衆いな、自分。

*2:ひとつ目のVTRでDが日本が欧米の真似ばかりすることに疑問を呈していた