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ダンディ坂野のプライドと有吉弘行の視線

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10月25日に放送された「ウチくる!?」のゲストは有吉弘行。そのゆかりのゲストとして青木さやかとともに登場したのがアンジャッシュ渡部とダンディ坂野
そこで、もう何度目だ?といいたくなる有吉の一発屋論が展開されていた。しかし、何度聞いても、その切れ味はすさましい。
逆に以前読んで感銘を受けた日刊サイゾーによるダンディ坂野のインタビューと併せて振り返ってみたい。

有吉: ダンディさんは一発屋の中でも、もっとも不良物件なんですよ。あのねぇ、プライド高いんですよ。こんな感じでしょ? 出てきた時もスベリ芸じゃないですか。それなのにプライドが高いんですよ! 僕らみたいなものに何か言われたりするのがすごい嫌なんですよ。人に耳を貸さないんですよ、まず。
渡部: 「ダンディさん、最近仕事減ってます?」って訊いても、絶対減ってるって言わなかったりとか。収入が減ってるって言えばいいじゃないですか。
中山: 確かにね。
坂野: 訊かれ方が極端なんですよ。「困ってるんでしょ?」って言われる。
渡部: (笑)。「うん」でいいじゃないですか!
有吉: 「うん」って言っていいじゃないですか。「生活困ってます」って。「ハゲてますね!」って言っても「ハゲてない」って答える(笑)。ハゲてんじゃん。

ダンディの無駄なプライドの高さは前述のインタビューにも垣間見える。

たしかに週2日しか仕事がなかった時もありましたね。しかもその仕事も「今、何されてるんですか?」っていう、「あの人は今」みたいな取材だったり(笑)。でも、ライブにも出てましたし、地方でCMも数本やらせていただいて。貯金を崩すこともなくやってこれたので、正直そんなに辛いと思った事はないです。(日刊サイゾー

そして自分のキャラへの愛着も、実に芸人的な美学に基づいている。

よくブレイクした後に下火になると、衣装を脱いでキャラチェンジするとかってありますけど、じゃあ最初のキャラはただの売れるための材料だったの? って思います。そんなの芸人じゃないなって。(日刊サイゾー

そのダンディの美しいこだわりにも有吉はバッサリ切り捨てる。

中山: あの、面白いと思ってるんですか? ネタ。
坂野: 僕のですか? 面白い、とは、思ってないです!
有吉: そういう言い方! 「面白くないです」って言え! 1個入るだろ! いつも
一同: (笑)
有吉: 1個入るんですよぉ、プライドが邪魔して。やっぱり、視聴者とスタッフが求めてるのは、「惨めで情けなくて貧乏な俺たち」なの!
坂野: ああー。
青木: なるほどぉ。
有吉: 一発屋のグループで出たときに、コイツがいると、一回止まるんですよ。「あれ? (一発屋なのに)困ってない人もいるんですね」ってことになっちゃう。
中山: 困ってる、でいいんだと。面白くない、でいいんだと。
有吉: いいんです! 何がそんなに自信があるのかなぁ?
坂野: 自信はないです!
有吉: ないの?
渡部: 今日も「ウチくる!?」の台本に「ダンディ“板”野」って書いてありましたからね。それ、いいじゃん。でも、ちょっとイラッとして、それで。
有吉: でしょ! “板”野でいいんですって!

有吉の目線はどこまでも視聴者目線だ。芸人としての自分なんてどうでもいい。あくまでもテレビ画面から、どのように映るのか、その先の視聴者がどう見ているのか、どんなことを期待をしているのかを考えぬいている。
その後、有吉の地獄時代として紹介された主演したミュージカル「シンドバットの大冒険」の映像が流れる。
それを受けて、有吉は「見て分かるように、学芸会レベルです!」と自虐的に確実に笑いを取っていく。

中山: ダンディさんはミュージカルは?
坂野: あの、今年、夏にミュージカルを……。初挑戦で!
渡部: 嘘ついちゃダメですよ。
坂野: いや、ホント。「アルプスの少女ハイジ」で、セバスチャンという役を。
中山: お! セバスチャン(笑)。
坂野: で、観客動員が延べ22,000人くらい
青木: すごーい。
坂野: 全国回ってました、夏に。
渡部: また(有吉が)怖い顔しましたよ(笑)。
有吉: すぐ数字言うでしょ?
渡部: 観客動員の話しても大丈夫でした、今?
有吉: 絶対、ダメです!
坂野: いや……。
有吉: 今の流れで言うと、「有吉君は暗黒の時代=ミュージカルでしょ? じゃあ、僕は今、ミュージカルやってるから暗黒ですね」じゃない! なんでちょっと成功した話してるの?
一同: (笑)。
坂野: 暗黒の時代にやった仕事って関係者の人が聞いたら「なんだよ」って思われたら嫌なんでそれなので、ちょっとフォローを入れといたんです。
有吉: スタッフの人は(ダンディが)ヒマだから呼んでんだもん。ホントは市村正親さんにやってほしいんだもん!
坂野: え?
有吉: ホントはセバスチャンを市村正親さんにやってほしいんだけど、忙しいし、ギャラが高いから、お前を呼んでんだよ!
坂野: ……。
有吉: 今の場合はね、22,000人っていう中途半端な数はいらねぇって。ほしいのは、100万かゼロ!

やはり、有吉の視線はブレない。
しかし、一方でダンディの芸人としてのプライドや生き方もそれはそれで魅力的だ。

振り返ると、ブレイクって元々何もなかったところでお祭りが始まったようなものだと思うんです。勝手に花火が上がって、神輿が担がれて、それでお祭りが終わっただけ。自分にマイナスな事は何もない。今の自分って、おそらく一周したんだと思うんですよね。一周した今のポジションでいい味が出せたら、「ゲッツ!」でブレイクした本当の意味が出てくるのかなと思います。(日刊サイゾー