底知れない天才の所業

テレビ東京さんのご厚意で『ゴッドタン』DVDの第5弾「キス我慢選手権フォーエバー」と「R-18 ストイック暗記王&傑作選」を頂きました。

このDVD、何が凄いかって、その常軌を逸した収録ボリューム。
「キス我慢選手権フォーエバー」の方には、小杉、山里が参加した「第4回キス我慢選手権」の完全収録はもちろん、「新春雑我慢選手権」(はんにゃ金田、狩野英孝、サンドウィッチマン伊達)も当然のように入ってます。さらに「イジリー岡田ギルガメ2008」「東京03飯塚マジ失恋ドッキリ」「ヒム子のおネエドッキリ」「アイドルのおっぱいを見せてもらえ’09春」ともはや特典映像と呼ぶのがはばかられるようなラインナップ。
「ストイック暗記王」には、6回分の同企画が入ってるうえ、特典として相澤仁美vs青島あきなvs大友さゆりの「サバイバルオーディション」、有吉vs谷桃子の「仲直りフレンドパーク」「谷桃子王選手権」が収録!
どちらも本編+特典が、3時間半を軽く超える超大作となっています。
そして、そのどれもが真剣に悪ふざけに徹していて、濃密。
しかも、どちらにも隠し特典映像が入っていて、こんなの公表して宣伝した方がいいじゃん、というような最低でサイコーな内容です。
とりあえず、このラインナップを見て僕が思ったのは一言、


「バッカじゃね?」


はっきり言って普通の番組DVDなら、この内容、少なくても4、5本にして販売すると思います。どう考えたって入れすぎです。

ゴッドタン打ち上げ終了。。いやしかし、ディレクターも作家もみんなで「番組絶対終わりたくない」って話し合って終わる新年会って…。僕ら30半ばのテレビ人(出演者含む)にとって、好きな仲間たちと面白いと思うことを存分にやれる最後の場なんだと改めて認識しました。


最後の出演者のあいさつで、おぎやはぎ劇団ひとりも「ノーギャラでもやります。予算が厳しければ言ってください」だって。目の前にマネージャーもいるのに…。正直、ちょっと泣きました。頑張って下らないことを次の年度もやりたいなあ。

このプロデューサーの佐久間さんの話でも明らかですし、こちらにも書きましたが、本当にこの番組を愛していて、自分たちが面白いと思うことを思い切りやって、しかも、それを伝えようという意志が半端ないのが素敵すぎます。
だから、本当にひとりでも多くの人に手にとって(自分は頂いておいてなんですが)見て欲しいです。内容は僕が保証します! ま、僕が保証してもしょうがないですが。


ところで、このDVD、なんとそれだけではありません。
どちらにも特典封入のマンガまでついてきます。で、これがおまけってレベルを軽く凌駕していてスゴいんです。
「ストイック暗記王」にはアメコミ風*1に気をそらせ隊の結成秘話が描かれ、「キス我慢選手権」のほうは、80年代(?)少女漫画風*2に「キス我慢」を漫画化*3! 
これ単体で販売してもいいんじゃないかと思うほどの出来栄えです。
僕は事前に「ニイルセンが漫画を書いた」と漏れ伝え聞いていたんですが、まさか作風の全く違うこのふたつとも!? と勝手にその才能に畏怖しそうになったのですが、ニイルセンが描いたのは「キス我慢」のほうだけだというので、何だかホっとしました。


僕がそのような勘違いをしそうになったのは、ニイルセンに得も言われぬ“底知れなさ”みたいなものを感じていたからです。
それを感じるきっかけになったのは、これまたテレビ東京の『とにかく金がないTV』の企画「天才に関する話」でした。
というわけで、その模様を振り返ってみたい*4と思います。


「破天荒な天才に会ってみたい」という同番組は、しかし、その名のとおり「金がない」。

天才にあって我々にないもの。それは天才ならではのエピソードではないだろうか。

そこで、「天才かどうかは分からんが、スタッフの身近に理解しがたいエピソードを持った男が2人いる」ということで、選ばれたのが脱線3のリーダーでラッパーのロボ宙と、件の美術作家ニイルセンだ。
番組は、二人の破天荒なエピソードを紹介し、本人にその真偽を確かめてく。
ロボ宙のエピソードもいずれも驚愕のものばかりだが、ここではニイルセンに絞って紹介していきたい。

「コカコーラ1本、コーヒー2本、カフェオレ1本、水1本買ってきて」と頼んだら、烏龍茶を6本買ってきた。

「コカコーラ1本+コーヒー2本+カフェオレ1本+水1本」というと計5本なのに、なぜ6本の問いにニイルセン、
「サービスでしょうね」

名刺の住所が、『東京都目黒区2−2』どまり

「自分でイラストレーターで作ったんですよ。『東京都』を入れるために名刺の幅がなくなったらしくて、俺(中央町とか地名の部分を)とっちゃったらしいんですよ」と他人事のように振り返るニイルセン。「そういうところ(地名)が入んねえな、と思って(笑)」

父親の葬式時に喪主にも関われず黒のジャージで参列した。ジャージのラインをずっと手で隠しながら

「これはお葬式じゃないですね。四十九日です(笑)」ともはやどうでもいい訂正。

スピードワゴン井戸田君の結婚式に呼ばれなかったことを不満に思っている。たった一度しか遊んだことがないのに。

「不満というか、僕、井戸田君と家が凄く近かったんですよ。ちょくちょくすれ違うんですよ、駅で。だから、家が近いのに、っていうのがちょっとあったんですよ(笑)」とやはり不満気。

お腹が空いたのでお茶漬けを食べようとお米を炊いた。
炊けるまでの間にお風呂を沸かした。
やがてご飯が炊けたのでお茶漬けを作ろうと「お茶漬けの素」を手に持った。
食べる前にお風呂の湯加減も気になって見に行くとお風呂は沸いていた。
ご飯を食べた。
食べ終わりお風呂に入ろうと思ったら湯船に「お茶漬けの素」が浮いていた。

「白まんまで普通に食べて(笑)、なんとも思わなかったんですよ。お風呂入ったら、相当長い間そこに浸かってたんで、ブヨブヨに膨らんだ鮭のあれとかがあって(笑)、おせんべいみたいな材質の細長い棒があるじゃないですか。あれが凄い油を出すんですよ(笑)」

「別れた彼女を追いかけて彼女の実家の青森まで行ったが、彼女が青森のどこに住んでいるか分からず1人で観光して帰った。

「土地勘はないですよね?」と訊かれ「りんごが周りに多くなってくたら青森なのかなくらいの(笑)」


このエピソードを聴いた脳関係に詳しい医者町沢クリニック町沢先生は「注意欠陥障害と言ってもいい」とバッサリ切り捨てつつ、「天才的側面もある」と分析する。「ニイルセンは常識にまったく囚われないゴッホタイプ」と。


番組ではロボ宙の直感の凄さ*5に注目し、初めて対面するニイルセンを、全く別の数人と並べ、誰が本当のニイルセンか当ててもらうという、ゆるめの企画へ。
当然のようにロボ宙は、迷うことなくニイルセンの前に立ち「初めまして、ロボ宙です」。
「(天才の)匂いでわかりました」というロボ宙に「(天才の匂いを)出しちゃってました?」と微笑むニイルセン。


もう何が「天才」なんだかはよく分からないけど、なんだか、底知れなさだけは伝わるのではないでしょうか?
というわけで、天才ニイルセン先生の漫画が読めるのは『ゴッドタン』DVDだけ!
お買い求めはこちらから! 間違いなくお買い得です。


で、『とにかく金がないTV』も抜群に面白いです。
▼参考:「ボーイズ・オン・ザ・ラン」〜童貞作家寺坂直毅(イマヒガチルドレン)の恋

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*1:“風”なんて言ったら失礼なくらいのクオリティ、カッコ良さ

*2:巻頭から巻末(作者あとがき)まで、あの独特の恥ずかしい感じも再現

*3:この漫画が原作で実写化されたという体で書かれています

*4:『ゴッドタン』のほうは他の方がやってくれると思うので

*5:仲間5人でオランダに行くことになりロボ宙も行きたいと言っていたが残りのメンバーでオランダへ。着いて二日後「そういえばロボ宙来なかったね」という話をしていたら前方からロボ宙が現れた、という驚異的なエピソード