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ぼくたちの『ゴッドタン』

先日、『ゴッドタン』のDVD第6弾として「キス我慢」や「ストイック暗記王」などを収録した『キス我慢選手権ファイナル』と大声クイズ、ヒム子、谷桃子企画などを収録した『絶叫のカオス傑作選』が発売されました。(購入はこちらから)

てれびのスキマ」や僕のTwitterなどで、しつこいくらい言ってますが、「キス我慢選手権ファイナル」の特番から始まった、今年に入っての『ゴッドタン』の凄さは、何度言っても語り尽せないものです。
試みに、今年のレギュラー放送回の企画を列挙してみると、その驚くほどの充実っぷりがわかるのではないかと思います。

   企画   主なゲスト  
松丸プロデュース王決定戦 バナナマン
エロ悲しい座談会 スピードワゴン小沢  
ヒム子ドッキリ バナナマン 一戸愛子
雑我慢選手権 バナナマン 東京03
チャーハンの具材ドラフト会議 バナナマン  
ストイック暗記王 第9弾(前編) オードリー 大島美幸 ロザン
ストイック暗記王 第9弾(後編) オードリー 大島美幸 ロザン
ヒム子ドッキリ バナナマン ローラ  
ドスベリサミット!(4) 島田秀平 渡部建 西舘さをり  
キス我慢ファン感謝イベント バナナマン 東京03 みひろ  
ニームマッチ2010 有吉弘行 オリエンタルラジオ 谷桃子
芸能界視聴率キング 蛭子能収  
もう一度見たいキャラクターSP ※総集編  
ヒドイ女サミット カンニング竹山、ロザン  
東京ドスベリサミット バナナマン、オードリー、バカリズム東京03
第4回大声クイズ 山里亮太 鈴木拓
エロ哀しい座談会2 小沢一敬 山里亮太  
パスタの具材ドラフト会議 設楽統 上原美優  
第1回カマデミーショー バナナマン 井戸田 キンコメ今野  
芸能界キレ女塾 バカリズム 吉木りさ  
ヒドイ女サミット未公開 カンニング竹山 ロザン   
ストイック暗記王 第10弾(前編) 東野幸治 オードリー キュートン  
ストイック暗記王 第10弾(後編) 東野幸治 オードリー  
第2回芸能界キレ女塾 バカリズム 小栗あずき  
小木学会 バナナマン 児嶋一哉  
ニームマッチ 第2弾 山里亮太 谷桃子  
芸人ラジオサミット バナナマン サンドウィッチマン  
マジ歌ランキング ※総集編  
マジ歌SP未公開 バナナマン 野性爆弾 森三中  秋山竜次  
キモンスターズチャンプ バナナマン カリカ  
仲直りフレンドパーク 山里亮太 鈴木拓  
第3回芸能界キレ女塾 バカリズム 小林さり  
ゲーセワニュース 吉田豪 久田将義  
アイドルにおっぱいを見せてもらおう バナナマン 島田秀平 吉木りさ  

(表中の※は「カオス傑作選」に、*は「キス我慢ファイナル」のDVDに収録されています。なお、DVDには昨年の放送分もたっぷり収録。)
これに加えて前述したとおり年初めの「キス我慢選手権ファイナル」、ゴールデン特番「マジ歌選手権」といった特番まで……。
どうですか、このはち切れんばかりのフルスイングっぷり!
この手の番組というのは当たり外れが大きいのが普通です。大当たりの回もあれば、大ハズレもある、という。正直言って昨年前半くらいまでの『ゴッドタン』もそうでした。しかし、今年に入ってからの神回連発は、そのひとつひとつがいかに凄いことなのか麻痺してしまいそうになるほど。


『ゴッドタン』に魅力は数あれど、そのひとつに“ぼくたちの『ゴッドタン』”とファンが呼びたくなる感じ、というものがあるんじゃないかと思います。
完全に錯覚ですが、演者とスタッフはもちろん、ぼくたちも一緒にこの番組を作っているんだ、なんていう幸福な一体感を感じさせてくれるのです。どうかしてますけども。
そんな錯覚を感じさせてくれるのは、たぶん演者もスタッフも損得を度外視*1して、「好き」なものにひたすら従順な姿勢と、それを実現させる覚悟があって、そしてその「好き」なものが演者もスタッフもぼくたちも共通しているからではないか思います。

『ゴッドタン』は『ゴッドタン』だけ

クイックジャパン』で遅まきながら特集された『ゴッドタン』。
その中で、出演者が口々に演者とスタッフの信頼関係の強さを証言しています。

レギュラーとスタッフの連携が異常にいい。お互いに信頼しあってるから、やりたい放題。あの番組は嘘笑いがないんです。『ゴッドタン』とはいわば台風で、僕ら呼んでもらう側は巻き込まれるだけで面白くなれますから。(略)レギュラー陣は「こう言えよ」って指示するわけでもなく、流れの中で僕の立ち位置を明確にしてくれるんです。(略)しかも本人たちにナビゲートしてるっていう意識がないのがスゴい。自分たちが描いた“楽しいこと”を実現するためにはどうしたらいいか考えてるだけなんです。(山里亮太

スタッフさんも芸人さんもみなさん仲がよくて「どうすれば面白くなるか?」っていつもみんなで考えているんですよね。(みひろ)

「番組への要望」を訊かれたレギュラー陣は、劇団ひとりが番組当初使っていた天使の衣装がないがしろになっている、というような不満でもない不満を挙げるだけで、特に要望はない、と言っています。「僕の中では完璧です。(矢作)」と。

今年の新年会で、劇団ひとりが、「今やってるお笑い番組はこれだけなんで、この番組が終わったら僕は司会者になります。だからもし予算がきつかったらギャラはいらないから、番組続けてください」って言ってくれて……・(略)やっぱり出演者もスタッフも、一生に何度もある番組じゃないなとは思ってます。(佐久間プロデューサー)

そんな劇団ひとりは番組での自分をこう語っています。

(他の番組とは)違いますね。『ゴッドタン』は『ゴッドタン』だけというか……。ここでやってる仕事と普段やってる仕事が同じ商売とは思えない。(劇団ひとり

テレビマンにおける青春時代

「好きだから」「楽しいから」という理由だけでこんなに費用対効果の悪いことに全力になれるのは、きっと特別な存在なんでしょうね。(佐久間プロデューサー)

その番組の自由さ、特異さは、それぞれの立場からみんなが口を揃えて語っています。

他(の番組)だと面白いと思う部分があっても、成立しなかったら(企画を)出さないんですけど、『ゴッドタン』ではそこを度外視して出しちゃう時もあります。それによって爆発的に面白くなることがあるんで。(構成作家オークラ)

こんなにふざけていい番組は数少ないんじゃないですか。テレビって今、あんまりふざけちゃいけないですからね。
だって悪ふざけがひどすぎて、面白くない時があるんですから(笑)。(矢作兼

現場で「これはまずい」「放送できねえよ」って一回も聞いたことないし。やりたいことはほぼやらせてくれて「こうしたらいけるんじゃないか」ってなんとかしようとしてくれるんですよね。(設楽統)

ネタ番組以外で初のテレビ出演だったので)その収録終わった後は、「こんな楽しいことがこれからずっと続くのかな」と思いましたね。でも、その後いろいろな番組出るようになって、『ゴッドタン』がかなり特殊な空間ということがわかった(笑)。『ゴッドタン』って人のヤバい部分を出してもいい、全体的に事故が起きちゃう空気なんですよね。
             (略)
他の番組には必ずある「なんとかしなくちゃ」がないのかもしれないですね。現場でもなんともなってない時が結構あって、みんなが「何これ?」と言っている。(略)何してもいいんだと思っちゃいますよ。(オードリー若林)

そして端的に一言でこの番組の特別さを言い表しているのは春日のこの言葉でしょう。

少なくとも我々の知っていたテレビの収録現場ではなかった(笑)。(オードリー春日)


佐久間プロデューサーは言います。

「『ゴッドタン』が終わるときは、テレビマンにおける青春時代の終わりだ」ってみんなで飲みながらよく話してます。「これが終わったら、あとは大人として仕事をこなすだけだ」って(笑)。

まさに『ゴッドタン』はぼくたちテレビっ子にとっても青春である、と言えるのではないでしょうか。

*1:DVDの尋常じゃない詰め込みっぷりからも分かります。