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「60歳でテレビからは一線を退く」 明石家さんま、大いに語る。

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(※一部修正しました)
千原ジュニアをゲストに招いた『さんまのまんま』ではジュニアが手土産として「吉本興業の後輩たちからの質問」持参。に対してさんまが真剣に己の芸人像を答え、その内容があまりに濃密だった*1ためか、この番組では異例の前後編(関東圏では6月25日と7月2日)に分けての放送となった。この一問一答はあまり各媒体などでインタビューを滅多に受けたがらない*2明石家さんまの数少ない貴重すぎるインタビューとなるはずなので記録しておきたい。

さんまさんはネタ帳はお持ちなんでしょうか?(じゃぴょん 植村からの質問)

ネタ帳は持ってないなぁ。年に一度、コントライブやってるからレポート用紙とかには書くけど。今俺が見ても分からへん。口頭で次の日に説明するから「ジミー、植木屋」とか書いてあるだけで、1年経ったら「なんや?」ってなる。
だからネタ帳はないね。
―――コントはどうやって作るんですか?全部口頭ですか?
レポート用紙に走り書きしといて、次の日持って行って(村上)ショージここにいて、(ラサール)石井ちゃんこうして、とか現場で。書くのも邪魔臭いし、大変な量になるから。口頭稽古が多いね、口頭で。

コンビを組むなら誰がいいですか?(囲碁将棋 根建からの質問)

これは難しいなぁ。たけしさんとはコンビみたいにやらせてもらってたし、所さんとも二人でやってたし、これはいれちゃあかんのやろ? タモリさんともやってたからな。昔、大昔は紳助がチラッと組みたがってくれてたことがあって、俺が東京に逃げたときにあいつが探して、コンビ組もうと。あいつも相方いなかったから、その時。俺がピンで帰ってきたから組まないかったけど。でも俺と紳助がくんだら絶対1年くらいでど付き合いのケンカになってるよな?(笑)
―――すっごいコンビですけどね!
いやいや、絶対おもんないと思うわ。そん時も二人で営業でやったけどウケなかったからね。まったくウケなくて二人でずっと笑ってたからね。なんか二人のツボがあるみたいで、お客さん一切笑わへんかったけど二人でゲラゲラ笑ってたことあるわ。
だから紳助は無いわ。
ジュニアともし組んだって、絶対あかんやろ、俺ら? あの、ぶつかり合いするやろ。俺の芸風では。
千原兄弟のコントを見ても)発想は面白いけどあそこまで(オチを)引っ張られへんなとか、ここまで待たれへんなって。ジュニアとはおそらくケンカする。お前もこんな感じの相方嫌やろ?
でもな、せいじより*3できると思う(笑)
―――そりゃそうでしょ!(笑)
ちょうどフジテレビで「THE MANZAI」やるから、そのディレクターが冗談で「誰かと組んで出ませんか?」って言うてきたけど、俺ね、優勝するにはやで、ジミー(大西)やわ。俺、ジミーと組んだらな、まあ、毎年コントではやってるけど、あのまま持っていったら今やったら勝てるかも。
あとは、、、岡村(隆史)もあかんかぁ。岡村は、あいつは俺には緊張してしまいよるんよ。初めて出会った時に俺がパッと振ったら、絶対受けると思って言うたことがスコーーンとスベったことがあんねん。それが初めての出会いで初めての絡みやったのがスベリよったのよ。あいつそれをまだ覚えてるもん。だからあいつは俺の前では遊んでくれへんねん。ちゃんとやろう、ちゃんとやろうとして

さんまさんはさんまを食べることがあるんですか?(インポッシブル 井元からの質問)

ギャハハハ。
あのな、俺、小学校に遊びに行ったときに質問コーナーでやられて以来やわ。
あのな、実はな昔若い時、24歳くらいまで舞台の前に食べてたの。(手のひらに)「人」書いて飲んであがらんようにするでしょ?(同じように)24歳までホンマにやってた。
―――えーー!
「己を飲む」という意味でね。必ず定食屋に行ってさんま定食食べてから現場に行ってたことはある。これは事実。

さんまさんは験を担がれたりするんですか?(ロシアンモンキー 川口からの質問)

さんま(を食べるっていうの)はしてましたけど、後は一切しないね。意外と神信用してない。神様は恐らくいない。いたら住所言えって感じ(笑)。
―――決めてはることはいっぱいあるじゃないですか?
たとえば?
―――これもうみんな若手言うんですけど、さんまさんのところに楽屋挨拶行くと、絶対、1ラリーで笑いがあるんですよ。あれはどっか(の時点)で決めはったんや、と。絶対誰が来ても(会話が)1ラリーあって、ひと笑いあって、「ほな、頼むで」って言って。いつ誰が来るかなんて分からないわけですよね、さんまさんにしてみたら?
決めては、ない(笑)……のと、「笑わしてるか?」っていうのがなんか一番ええ言葉やんか、芸人同士で。
         (略)
だから「笑わしてるか?」っていうのが口癖。若手にはそう言ってるな。ほいでその後なんか「今日はダメでした」とかその返しを見てるっていうのかな。どう返しよるんやろ?って。やっぱ決まりになってるわ。
あとはなんかで電話かかってきて切る間際に必ず俺「頼むで!」って言うてしまうんですよ。「おう、頼むで!」って言って切る。そしたら必ず電話が返ってくる。「すみません、今何をお頼みになられたんですか?」(笑)。俺は「『人生を』頼むでって言うてんねや!」っていう。
―――あと、車にスモークも絶対貼ってはらないじゃないですか?
貼らない(笑)。
―――だからね、言い方悪いですよ。(さんまさん)必死なんですよ! ホンマにさんまさんとか鶴瓶さんとかその年代の人ってすっごいやないですか。それって何か(ハプニングとかが)あったら、“めっけもん”っていうのがやっぱあるんですか?
中途半端に隠れてて「あ、さんまや」って見つかるのが嫌なだけで「もう、さんまですよ!」っていう。(略)サングラスとか邪魔臭くなって、もうこっち側行こうと思ったのが結婚してからかな? 子供産まれてから。もう隠さんと行ったほうが楽やって分かったんや。
(略)
ここまでテレビ出れると思ってないからね。俺も鶴瓶兄さんも。もちろん紳助も、たけしさんも所さんも、誰もこの年代までテレビ出続けてるなんて誰も思ってなかったはず。だからたけしさんがよく「オレたちよぉ、3回くらい宝くじ当たったようなもんだよな」って、よう言わはる。
―――18歳の頃の杉本高文*4少年は「これはいける」と思ってこの世界に入ったわけではないんですか?
あー、(そう思って)入ってる、入ってる。でもここまでは(思ってない)。吉本の(同世代の)若手の中で勝てるやろうって(入った)。まあ、学校の先生が薦めはったから。「吉本行け」って勝手に進路決められたんやけど(笑)。高校時代が一番おもしろかったんですよ。多分頂点やったと思うわ。

今、面白いと思う中堅・若手は誰ですか?(ジューシーズ 松橋からの質問)

あのね、「巧い」っていう判断はできるけど「面白い」は出来ない。「面白い」になるとキャラになってまうのよね。だから技術とか、ネタの持っていき方とか色々あるやんか。言葉のセンスとか。それは「面白い」に入らへん。「あー、こいつ巧いなぁ」とか。「先やられた」とかって言うのはあるけど、それは「面白い」とかとは違う。だからテレビ見てても笑わへんもん。
―――テクニックを見てるんですね。
だから「面白いのは誰ですか?」「これから面白くなるのは誰ですか?」って言われても分からへんねん。「面白い」のは「キャラ」のほうが絶対上やな。面白さはな。ジュニアとせいじ比べたら面白いのは兄貴(せいじ)のほうやからな。だからジュニアなんかはテクニックで笑わせてるんやろ。言葉のチョイスで。あとは「間」。間なんて0コンマ何秒の世界やからな。こればっかりは説明つかないやないか。ほいで、1秒経って笑わせるツッコミもあるし、でもパッて行きたいときは0コンマ0何秒。だからね、あのへんは「面白い」やない。技術で見てる。で、口惜しいことが多い。見てるとね。「先にやられたかー」とか。人間ってやっぱ思いつくことほとんど一緒やんか。この商売やってると。「あー、しもうた。俺もこれやろうと思ってたんやぁ」とか。
―――さんまさん、いつ辞めるとか決めてはるんですか?
俺? 一応、、、60歳くらいって決めてるんやけど。
―――え! 引退ですか?
テレビからはね
―――60歳で引退ですか!
昔から60歳を目処に
―――もうすぐですよ!
すぐって言うても4年は長いよ。だっていつまでも年取った芸人がテレビにうろちょろしとったらテレビが面白くなくなる。絶対そう。若い人が、次世代の人がやることが帳尻合うねん
でもま、舞台とかゲストとかはもしお呼びがあれば出るつもりで。
―――えー! さんまさんがゲストでいろんな番組に出はるんですか?
お呼びがあればやけどな。
―――「お呼び」しかないですよ!
(笑)。舞台とかはあれやけど、テレビってなんかあるやんか。画面が汚くなったら要らんのんちゃうか、とか。自分が見て嫌な時、辞める
―――だけど、嫌なことより「安心感」がハンパやないじゃないですか? 世間の人はテレビつけて知らん人が出てるより、物心ついた時から知ってるさんまさんが出てるほうが安心するから見じゃないですか。
安心はするけど、今な、おっさん連中がテレビ出すぎやって。
だから60歳になってみなさんが「まだやってよー」っていう声ならもうちょっとやるかも分かりませんけど。
―――そりゃ、全然その(「まだやってよ」の)声でしょ?
いやいや、自分で判断したほうがええぞ、これ。(略)「あの人まだ元気かな?」って言われながら近所笑わせてたりね。「もっとテレビ出たらいいのに」っていう感じくらいに。
―――でもそれやられたらメチャクチャ、カッコいいですね。
いや、カッコいいっていうか、俺の番組偶然長いけど……。
―――(4年後も今やってるレギュラー番組)全部続いてるんじゃないですか?
いやいや、そんなわけにはいかんやろうからなぁ。これ(『さんまのまんま』)も26年。(お客さんが)産まれる前からやってんねん(笑)。産まれる前から変わってないねん。君らこんなに成長したのに、俺変わってないねん。ムダな26年。もうムダ足(笑)。

さんまさんは「独身」「結婚」「離婚」「父親」とすべてを経験していますが芸人として一番いい状態って言うのはどこですか?(Bコース タケトからの質問)

あのね、独りでがんばれるのは簡単やな。結婚して、嫁さんがいて、子どもがいて、浮気もせずちゃんとすごし、家庭も幸せにして、テレビも面白い人が最上級やろうな。俺は無理やった。育児とかになると疲れるし、その疲れが出てしまったりするのが。ジュニアも結婚したらわかると思うけど、やっぱり嫁さんもずっと元気やないし。心配しながらテレビでなきゃあかんとなるとやっぱりキレが悪くなったりするやんか。それが嫌。やりやすいのが、今や。独りで、結婚もしてる、離婚もしてる、子育てもした。ネタ的には全部ゲストに合わせられる。
―――僕、15歳でこの世界に入ったんですけど、アルバイトを2週間で全部辞めていこうって決めたんですよ。いろんな職種見れるからいつかは喋りのネタになるかなって思って。それの人生賭けた版ですもんね?
賭けた版や(笑)。ただ、あれやで。マイナスも多いぞ。プラスも多いけど大変なことが一緒ぐらいあるわけやから。それを笑顔で乗り越えられるかどうかやな。

千原ジュニアはもっとこうするべきだ」(千原兄弟 千原ジュニアからの質問)

クワー(笑)
あのね、売れてるから(今のままでも)全然ええけども、ただお前はシュートとかシンカーとかを投げようとするから。それは、たまに、でエエよね*5笑いのストライクゾーンはストレートを投げてファールを打たせるのが一番エエから。お前、空振りとろうとするのが多いから。それを半分に減らすように変えていけば。


<関連記事>
かっこいいさんま
明石家さんまの眠らない哲学

*1:見事にさんまの答えを引き出している聞き手としての千原ジュニアにも注目したいところ。

*2:最近のロングインタビューは「ほぼ日刊イトイ新聞」の「さんまシステム」(<関連記事>「明石家さんまの眠らない哲学」参照)と雑誌『本人』(Vol.11)の「さんま道」くらいか

*3:訂正しました

*4:もちろん、さんまの本名。念のため

*5:さんまは数年前の『明石家さんちゃんねる』「さしめし」でジュニアに逆に「シンカーを投げ続けろ」と語っている。それは心境の変化なのか、あるいはジュニアのステージがその当時とはもう違うという認識なのか興味深いところ。※<関連記事>「かっこいいさんま」参照