読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

追悼・出川哲朗

今年4月からTBSで始まった『タカトシの時間ですよ!』は元々は、モノマネ芸能人を集めたスナック「カメレオン」や井上小公造が芸能人のスクープを発表する「井上書店」などタカアンドトシとゲストが、芸能人たちの営む各店舗をはしごしていく、という内容の番組だった。
しかし早くもおかしな方向に変化し始めている。いい意味で。
先日は水道橋博士が女芸人を集め、その歴史を大胆に振り返るという濃度の濃い企画を放送したかと思えば、今度は「もしも出川哲朗が死んだら…」という抗議覚悟の擬似葬儀が放送された。
アフリカ象ローラーブレード履かせるロケで事故」で亡くなったという設定の“出川哲朗のお通夜”は出川と関係の深い松村邦洋キャイ〜ン天野、よゐこ、千秋、ずん飯尾が集まり、彼の思い出を語り合い、その教えを振り返り、手紙を贈るという愛と笑いに満ちたものだった。


まずは参列者たちが出川の思い出を語り合う。
出川のエピソードを語るひとりひとりが全員、出川のモノマネを完璧にこなせるのが、彼が愛されてるのを端的に表しているかのようだった。
そして過去のVTRからその芸人としての極意が伝えられる。

出川哲朗の教え

1 リアクションはカメラの前で
2 猛獣に絶対はない
3 危険は最高のチャンス
4 リアクション芸人にスタッフの優しさはいらない
5 (ロケの汚れをおとす)シャワーの数だけ芸人の距離は近くなる

そんなVTRを見た後、参列者たちは出川の「名言」などを振り返っていく。

松村: 最近、若手芸人もいろんな危険なロケをやらされる時に「ちょっとこれは無理です」って言ったらスタッフが「出川さんはやられてますけど」って。ラインが出川さんになってるから。
濱口: アホが基準になったから(笑)
松村: でも「鼻水は(芸人にとって)ダイヤモンド」とかいい言葉だよねー。
飯尾: 他にはね、「生クリームは芸人の香水」って。
タカ: リアクション上手いけど、たとえはダメ(笑)
飯尾: あとね「ロウソクのロウはサラダ油で落ちる」(笑)。
トシ: 単なる豆知識じゃないですか!名言でも何でもない(笑)。
飯尾: あとね「バスの横転に安全な場所なんてない
トシ: そりゃそうでしょ!
飯尾: その仕事来たら、腹くくれってことですよ。

別れの手紙

そして遂に別れの時。それぞれが出川への手紙を出川の眠る棺桶の前で読み上げる。それは葬儀終了後「泣いちゃうって」という出川に「全部、嘘」だと言うものの、実際に出川への愛と思いがにじみ出るものばかりだった。
まずはよゐこ濱口。

出川さんへ 出川さん、本当にお別れですね。今まで言えなかったこと、出川さん、本当は尊敬しています。あなたの人としての優しさに僕はいつも憧れていました。出川さんのお母様が亡くなられたとき、悲しいのは自分なのに「濱口、絶対後悔するからなんでもいいから親孝行しろよ」と僕に力強い言葉をくれた出川さん。いつもライブを観に来てくれる出川さん。いつも忙しいのにどんな舞台にも顔を出す出川さん。今日でお別れだとは思いません。出川さん、ずっと僕らを見守っていてくださいね。

棺桶に横たわりながら涙をぐっとこらえ聞き入る出川。
続いてキャイ〜ン天野。 

隊長へ 何年か前に隊長に相談を受けたことがありました。「俺は天野っちみたいにネタを作って人を笑わせてるんじゃなくて、ただ笑われてるんだよね。これでいいのかな?」って。僕はその時、「笑わせてるのか、笑われてるのかなんて関係ないと思いますよ。見てる人が笑っていることが大切だと思いますけど」と答えました。でも今思うと出川さんは「笑わせてる」人だと思います。

途中で唇を震わせ、涙をこぼす出川。
そして松村邦洋

出川さん 僕達が知り合ってもう23年になりますね。お互いに仕事がなかった頃、よく2人で遊びに行きましたね。僕が先にテレビに出るようになっていろいろな番組で出川さんのモノマネをしました。でも出川さんを知らない人には全くウケなくて、出川さんから「せっかくいい番組出れたのに俺のモノマネなんてやめてくれよ、誰も知らないんだから」と電話してくれました。その時僕は「僕のモノマネは完璧なんです。あとは出川さんが売れるだけです」と言ったみたいですね。無意識で言った言葉ですけどこれが本心だったことは間違いないです。その後、出川さんがテレビに出るようになり「やばいよ、やばいよ」と言うだけでものすごくウケた喜びは忘れられません。すぐに他の人も出川さんのモノマネをしました。でも、僕は悔しくありませんでした。僕のネタが減るよりも出川さんの存在が世の中に浸透していく、そのほうが何倍も嬉しかったです。
出川さんと同じ世代に同じ芸能界で生きられたことを僕は誇りに思います。

号泣している出川。涙が止まらない。
よゐこ有野。 

出川さん 48歳短いって思うかも知れませんが密度の濃い48年やったと思います。そこらの芸人が太刀打ちできないくらいの爆破や動物やいろんなものと戦ってきたと思います。でも一回も出川さんは怪我をしなかったです。それはやっぱり笑いの神様に好かれてるんやろうなと思っていました。その笑いの神様が「そろそろ出川、オレの前で笑かせてくれよ」そう言って、天国へ誘ってるのかな、と思います。次は天国で笑いの神様を笑かしてやってください。お疲れ様でした。


最後に出川の「大好きなもの」を棺桶に入れていく参列者たち。
アツアツおでん、激辛寿司などを口の中に入れられ、出川は死んだまま完璧なリアクション。
最終的にザリガニが投入され「今日の凄いわ!」と叫び血をタオルで拭い隠しながら生き返る出川哲朗
最後の一言を求められるとたっぷり溜めて自分の遺影に向かって

みんながあっての出川哲朗でしたね……

とピントの外れた言葉でスタジオドッ白け。
トシらが「何、感動で終わろうとしてんだ!」と口々に批判しながら失笑する中、有野がとどめの一言。

スタジオまだ早かったな!

出川哲朗、つくづくだよ!

リアクションの殿堂 ~遺作~ [DVD]
ビデオメーカー (2010-08-26)
売り上げランキング: 33603