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誇り

芸人本

遂に書店に並んだ『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』。早くも読んでいただいた方々の感想に感激しています。
なお、『タモリ学』』は電子書籍版も14%オフの900円で同時発売されています! ご都合に併せて選んでいただければ。
また、本日、マトグロッソに「大タモリ年表」の第3弾が掲載されました。今回は1981年~1985年。『いいとも!』が始まり急速に国民的な存在になっていった、タモリさんの第1期全盛期というべき時期です。

『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』特別付録 大タモリ年表#3


そして、4月3日には『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』が発売されます!
これはこちらに詳しく書いたとおり「水道橋博士のメルマ旬報」の連載「芸人ミステリーズ」の傑作選+書き下ろしです。

本書にはなんと水道橋博士さんから

華やかな芸能界の深層に地獄の地下水脈は流れている
--てれびのスキマは、テレビの写さない、余白を解き続けることによって、芸人の棲む地獄の底に流れる河の水を見事に浄化している

と有難すぎる帯コメントまで頂きました。


2014年1月25日、「水道橋博士のメルマ旬報FES!」(恵比寿ザ・ガーデンホール)が開催され、参加させていただいたことは以前こちらにも書きました。
目が眩むような豪華なメンバーの中であたふたしている僕に楽屋でマイクを向けたのは同じく連載陣の一人であるマッハスピード豪速球のガン太さんでした。ガン太さんはこの日、「FES!」本編出演のみならずWOWOWの「W流」で流す動画のレポーター役も担っており、出演した連載陣にインタビューをされていたのです。インタビューなどされたことがない僕は終始しどろもどろ。最後の質問の「あなたにとってメルマ旬報とは?」にも僕はとっさに上手く答えることができず、なんかふわっとした答えをしてしまったのですが、今ならハッキリ答えることができます。
「誇り」です。


水道橋博士のメルマ旬報」はその名のとおり、浅草キッド水道橋博士が編集長となり月2回発行している2012年11月に創刊された有料メールマガジンです。(詳細・購読はこちらから是非!)
有名無名を問わず*12014年3月現在で40名近い連載陣(まだまだ増殖中)を抱える世界最大級のメールマガジンです。
その創刊号は10人の連載から始まりました。
その中に光栄にも僕の「芸人ミステリーズ」もあったのです。


元々、僕がこのブログ「てれびのスキマ」を始めたのは水道橋博士さんの著書『お笑い男の星座』を読んだからでした。
身の程知らずな話ですが、その本をむさぼるように読んで感動した僕は、こういうものを内部からではなく外部から書いてみたいと思って始めたのです。
僕が最初に理想としたのは「『お笑い男の星座』+高橋源一郎が書く書評+活字プロレス」。
自分が大好きなものの手法を真似て、「テレビ」について書こうと夢想しました。
けれど、環境的な制約(テレビの裏側を知ることが出来ないからテレビでの人間味が表れた発言を強調して引用する、とか。)と、何より能力的制約で最初の理想と全然違う今の形になってしまいました……。が、そうやって「てれびのスキマ」の現在の形になっていったのです。


2009年からTwitterを始めて間もなくの頃、一通のダイレクトメッセージが届きました。その差出人を見て戦慄が走りました。
水道橋博士さんだったのです。
そのメッセージは僕のブログを読んでくださっていることを伝える内容で、DMなので引用することはできませんが、そこに身に余るような嬉しすぎる言葉が添えられていました。
僕の人生にそんな僥倖があるのか。にわかには信じられませんでした。


博士さんは「コンステレーション(星座を作る)」の考え方に基いて「星座が繋がる」とよく語っています。
この考え方について博士さんは「メルマ旬報」の創刊号で改めて説明されています。

星座という言葉には「コンステレーション」と言う心理学的な用語と見方がある。
臨床心理学者ユングによれば、「コンステレーション(星座を作る)」とは……


「満天の星から特徴のある星をいくつか選び、糸でつないで星座を作りストーリイを組み立て自分をそこに投影して役割を演じようするもの」


と説明される。転じて、
一見、無関係に並んで配列しているようにしか見えないものが、ある時、全体的な意味を含んだものに見えてくる」ことを言うらしい。
それゆえに、「偶然の一致」という形で同時に起こった二つの出来事も、人生という星座のなかに「意味のある」こととして、きちんと位置づけられる

つまり、偶然は星座のように全て必然で結ばれている、という考え方です。


「星座が繋がった!」
おこがましくも僕はそう思いました。
博士さんの著書をきっかけに始めたブログが博士さんの目に止まり、その博士さんのメルマガに連載させてもらえるようになったのです。
だから「芸人ミステリーズ」は僕の「誇り」そのものです。
そしてそれを集め書籍化した『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』はそんな「誇り」の結晶なのです。


芸人、あるいはお笑いについて語るのは、無粋で野暮だという風潮あります。
ましてやその“美談”や“苦労話”などはお笑いにとって邪魔でしかなく、それを広めることなんて営業妨害だ、と。
けれど僕は思います。
その程度のことが“邪魔”になるほど、「笑い」は弱くない、と。
そして「笑い」について語ることの喜びの大きさは、「笑い」の強さと豊かさの証明ではないか、と。
有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』で僕が書いているのは“お笑い評論”ではありません。そして、ただの美談や苦労話でもないはずです。芸人たちの生き様や本質を抽出したひと欠片を描いたつもりです。
多くの場合、笑いは「人」に笑うものだと僕は思っています。にじみ出る“人となり”を含めて“芸”だと思うのです。ならば、その芸人の生き方や苦悩について知ることは、より深く笑うことにつながるはずなのです。
本書はそんな思いを込めて書きました。是非!

*1:といっても半分素人なのは僕くらいだけど