ジャイ子の本名が「不明」である理由


先日放送された『ドラえもん誕生物語 〜藤子・F・不二雄からの手紙〜』は興味深いエピソード満載で非常に良い番組でした*1


そんな中、個人的に最も印象に残ったのは、インド版「ドラえもん」主題歌の歌声がジャイアンの歌声並みのすさまじさだった……ことではなく、ジャイ子の本名についてのエピソード。
ジャイ子の本名については様々な説があったりしてよく「ドラえもん」における謎の一つとして議論の対象になる問題ですが、今ではジャイ子はあくまでもあだ名であり、本名は別にあるけれども、それは「不明」、というのが定説になっている*2ようです。
では、何故、その本名が決められないままだったのか、その真相をアニメスタッフの一人、別紙壮一氏が語っていました*3

「本名、何か作りましょう」と話をしたときにしばらく先生は考えられて
「やっぱりやめましょう」
「え? どうしてやめるんですか? 先生」と聞いたら先生は、
「もし、名前を決めて、今それが、幼稚園、小学校に行ってる女の子の誰かと同じ名前の子がいたらきっといじめられるだろう。ジャイ子とお前、同じ名前だなあ、といじめられるだろう。それは可哀そうだから、やめましょう」って。

*1:詳細は[http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20060219:title=「藤子不二雄ファンはここにいる」さんのレポート]をご覧ください

*2:公式本では「藤子F不二雄先生がジャイ子は本名ではなく、本名はいつかちゃんと本編で描くと言っていて、そのあと本名が書かれることなく先生が亡くなってしまったことで永遠に秘密となってしまった」とある。

*3:以前もこのエピソードは公表されているそうですが、少なくても僕は初めて聞きました。とてもF先生のキャラクターがよく出ているなぁ……。