※ちょっと追記しました。
MVPは文句なしで有吉
今年のテレビお笑い界のMVPを選ぶとするならば、有吉弘行をおいて他にいないと思う。
昨年後半から尻上がりに頭角を現したと思えば、その勢いは収まるどころか加速する一方。
元来、彼の今のブレイクの力となったあだ名芸のようなものっていうのは、普通、それほど広がるものではないし、それ故、飽きられやすい。
しかし、彼は類まれな瞬発力と観察眼、そして見事すぎる表現力でまさにハズレなしの活躍を見せた。
もはや、有吉の名がラテ欄に書かれていると、普段観ていない番組まで気になって見逃せないものになってしまうほど。
そして身内芸のようになってしまっている今のお笑い界の異分子的な存在としても輝きを放っているのも忘れてはならない点だ。
また、「神さまぁ〜ず」「さまぁ〜ず式」「ゴッドタン」などでは、あだ名芸のような毒舌を求められるというよりは、本来の彼の得意分野といっていい使われ方をされ、新境地を切り開いており、一時のブームで終わらない今後の展開に期待が高まる。
次点はウッチャンとさまぁ〜ず
次点には内村光良を推したい。
今年の彼のアグレッシブな活動には本当に頭が下がる。
彼ほどの地位にいれば、それほど挑戦的でいる必要などないはず。*1
しかし今年の内村は「ザ・スリーシアター」を筆頭に「ザ・イロモネア」「笑う犬」などでも、積極的に若手の輪の中に入り、入るだけでなく、その若手と同じ土俵に上がり、まさに「現役」としてコントを演じ、ネタを披露していた。その姿はカッコいいという他ない。
そして上半期圧倒的に活躍を見せ、下半期も変わらぬ安定感を見せたさまぁ〜ずも忘れられない。
こちらでも書いたとおり、テレ朝「さまぁ〜ず×さまぁ〜ず」、テレ東「モヤモヤさまぁ〜ず2」、TBS「神さまぁ〜ず」(現「さまぁ〜ず式」)、ネット番組では「内村さまぁ〜ず」(ミランカ)と各局でまったく別の趣向の番組でそれぞれ実力を発揮し続けているのは本当に驚異的。
2008年は関東芸人勢が光った
個人的に「ここ5年くらいのスパンで見るテレビお笑い界の最高傑作」だと思っていると以前書いたとおりバナナマンの活躍も見過ごせない。
数年前、日村が「子供のころの貴乃花」という最高にポップな武器を手に入れた頃、露出が増え、経験を積んだことで、設楽統という稀代の才能が開花し、現在のお笑い系番組が求める能力をほぼすべて高いレベルで備えている万能芸人に成長した。そしてその才能が今年特に目立って発揮されていたと思う。
「アメトーーク!」での今年初頭の「ホリケンをほっとけない芸人」を皮切りに生き返った感のある堀内健も自分のフィールドを拡げていった。
他に、今田耕司は相変わらず凄かったし、出川哲朗、東野幸治、ウド鈴木らの活躍も印象深い。
こうして見ると、個人的な贔屓目かもしれないが、関東芸人*2の活躍が目立った年だった。
芸人以外では矢口とエロ男爵
芸人以外では矢口真里が見事だった。先の「M-1グランプリ」は言うに及ばず、数多くの番組で、「笑い屋」の視覚版の如き巧みで卓越したリアクションで番組を光らせた。「レッドカーペット」での天津向を光らせたのを例に挙げれば彼女の能力の高さと、スタッフからのあつい信頼が伺えるだろう。
アイドルでは他に「インスタント女王様」によって見出された手島優や「おねがい!マスカット」「アリケン」で巧みにキャラを使い分けそれぞれで存在感を放っている川村りかが目立っていた。
男性タレントで印象的なのは、「エロ男爵」としてひな壇でも司会でもそつなくこなし不動の地位を築いた沢村一樹。DAIGO、松岡修造、半田健人、板東英二、そして上地雄輔も各所で盛り上げた。
(追記)はてブで何人かの方からケンコバを入っていないという指摘がありましたが、ケンドーコバヤシは昨年のMVPに選んだのであえて入れませんでした。もちろん今年も変わらず大活躍*3でした。今、ラテ欄で名前を見たら番組を見たくなる芸人は有吉とケンコバの二人です。