TKOを救ったナインティナインの一言 

6月4日に放送された「オールナイトニッポン」は岡村隆史が不在だったため「矢部浩之オールナイトニッポン」として矢部がゲストに同じツッコミであるTKO木本とオードリー若林を迎えて放送していた。
この番組、全編が聴きどころの素晴らしいものだったが、特に若林がテレビ初出演時のエピソードを語った話は抜群に興味深く、実際に「はてなでテレビの土踏まず」さんが「オードリー若林の世界を変えたナイナイ矢部の一言」と題してこれまた素晴らしい記事にしてくれている。
さらに他にも「世界は数字で出来ている」さんがナイナイ矢部 「ボケとツッコミは全く別の職業」ナイナイ矢部、オードリー若林、TKO木本の共通点などにも引用されているように面白い話が頻出していた。


そんな中で、TKO木本が語ったどん底時代のエピソードも記録に残しておくべき面白いものだったので、微妙に「土踏まず」さんのタイトルをパクりつつ書き起こしておきたい。

木本: あのう、ちょっと木下と仲が悪い時期があって、仕事もとんとなくなっていった時期だったんですよ。ちょっとラジオやってても全然話弾まないし、そういう時ってコンビってあるじゃないですか、たまに。
矢部: あるある。
木本: で、かなり限界やったんです、僕も。多分、彼もやと思うんですけど。
矢部: それ、分かるもんね。相方やったらね。しゃべらんでも。
木本: はい。で、もちろんネタも全然作らないで、舞台立っても僕らだけ、フリートークするんですよ。
矢部: あーー。
木本: 最っ悪ですよね。
矢部: あーー、そうやなぁ。
木本: 最悪の状況で……。で、その時に、この「オールナイトニッポン」が、ラジオ大阪出しの時があったんですよ。
矢部: ほうっ!
木本: でね、僕らの「ハイヤングKYOTO*1発でちょっとインフォマーシャルじゃないですけど、それがラジオ大阪からも流れるという時があったんですよ。
矢部: あーー、なるほど。
木本: 僕らの声で「TKO」って名乗ってるんですよね。
矢部: うんうん。
木本: 当然、大阪出しですから、(ナイナイがそのTKOの声を)聴くんですよ、CMの間に。
矢部: なるほど。
木本: ほな、このCM明けでスタジオおりた時に、ナイナイさんが「TKO! ひさしぶりやなー! がんばってるやなぁ、この二人!」って言うてくれたんですよ。
矢部: ハハハハハ、ハ。
木本: 憶えてないでしょ?
矢部: それはね、憶えてない!
一同: (爆笑)
木本: 言ってくれはったんですよね。 
矢部: でも大阪出しって数回やから……。
木本: そのうちの一回の時にハッキリ言うてくれたんですよねぇ。で、しかも「あかん、俺らぬるすぎる! がんばらなあかん」って言うてたんですよ。
矢部: ウワっハっハ、それ岡村さんやろ?
木本: たぶんそうです。
矢部: 「みんながんばってる」と。
木本: そうです。で、僕らはその日、オンエア的にかなり嫌やったときで、別々に帰ってるんですけど、それで、次の日に会うた時に、二人会うたすぐ「昨日聴いたぁっ!?」って。
矢部: (拍手・笑)
木本: 「おう、聴いた!」
矢部: 二人とも、聴いていた。
木本: ええ! 久々に連れのような会話で、「俺らの名前、はっきり言うてくれはったよなあ!」「しかも何か『がんばらなあかん』って締めはったよなあ!」って言って(二人で)「がんばろうっ!」ってなって。
矢部: (笑)
木本: ホンマにその日から僕らね、みるみる仲が回復したんですよ! 
矢部: へーー。
木本: ホントに助けられたんですよ。
矢部: 青春やな。
木本: 青春です!

「ANN」がラジオ大阪で収録された、そこのCM中にTKOの声が流れた、それをナイナイが聴いた、そしてそれにナイナイが触れたのをTKOの二人ともが聴いた……、この様々な偶然が重なり、それがきっかけで二人の仲が復活したという。なんとも漫画のような出来事が実際に起き、もしかしたらそのまま壊れてしまっていたかもしれないコンビを救ったというのだから、とっても面白い。

*1:彼らがパーソナリティを務めていたラジオ番組