河本準一とオダギリジョーの思い出と現実

次長課長河本準一と俳優・オダギリジョーが小学生時代、同級生だったことは、河本自身が度々自慢気に語るので有名だ。
その二人が本日(8月9日)放送の「ボクらの時代」で、テレビ初共演をし、その思い出を語っていた。

河本準一がモテていた理由

河本が「自分はオダギリジョーよりモテていた」というのはもはや鉄板ネタとして各所で語られていることであるが、そのオダギリは実際にどのように感じていたのだろうか。

オダギリ 「もっち(河本)は半端なくモテてたからね」
河本 「僕は、モテてたんです」
オダギリ 「ホントに!」
河本 「俺のMAXなんですから、あの時」
オダギリ 「凄かったもん」
河本 「そうなんです。“足が速い”“背が低い”“色が黒い”、この三拍子揃ってたもん。間違いないです。まぁ、ジョーも低かったけどね、その時」
オダギリ 「もうね、6年で引っ越した僕が、愕然としたほど、もっちはモテてたのよ」
河本 「でも、俺ジョーくんもモテてたイメージあったんだけど」
オダギリ 「いや、僕はもっちの何番手か後ろですよ」
河本 「いや、まず転校してきたってところで、俺も小学校3年の時、転校してきたから、やっぱ転校生って引きあるやん、小学生の頃って、転校生もモテる理由の一つとしてあるじゃん」
オダギリ 「まぁ、世代別モテる条件として言えば、やっぱりスポーツなんだよね。あ、でも「面白さ」もあったかもね」

その時、河本が「笑い」のほうにいかざるを得ない「現実」があった。

河本 「いや、あの時は反動で、一番、二番目の親父の家でのDVが激しい時で。みんなに見せるのが嫌で、悲しい感じとか。とにかく学校へ行くことが唯一の楽しみというか、とにかくその人から逃げれるとか、そこにいれば安全だとか、そういうところから来てる、すごい反動があったと思う。だからとにかく遅くまで遊びたいけど、みんな帰るっていうから、もうちょっといてくれよ、みたいなところもちょっとあったと思うんですよ。正直」
オダギリ 「家に帰りたくなっかったんだ」
河本 「家に帰ると怖いから。ホントに帰りたくなかったね」

ジョーオダギリのすべらない話

中学では別々の学校に進学した二人。
「中学の頃、ジョーくんの行ってる中学でモテたのは誰? どういうタイプの人だったの?」という問いにオダギリは中学時代のエピソードを披露する。

僕が人生で、一番モテたのは中学だったの。中学の卒業式。だから言わせてもらえば、「俺」、っていうふうになる(笑)。

そん時、彼女がいたんだけど、その彼女は同級生だったの。中学2年の時にお付き合いすることになって。女子は家庭科で縫い物とかするじゃん。体育祭がある、と。中2で。で、呼び出されたの。付き合った、ホント当初よ。付き合ってすぐ。「小田切くん、何時にどこの教室来て」みたいな。で、行ったら授業で初めて作った、シューズ袋みたいな(のをくれた)。
今でも覚えてるんだけど、青い袋なのね。で、そこに赤いワッペンみたいなので「G」って入ってるの。「G」!?って思って(笑)。「J」じゃないのって。「ガンダム」? どっから「G」? 「ガギグゲゴ」全然入ってない(笑)。それはもう強烈に覚えてる。
もうね、あの時の「G」ってジャイアンくらいしか見たことなかったから。
それが初めての心が折れた出来事だった(笑)。

河本の中学生時代とオダギリジョーの世代論

一方、河本は中学に入ると後に次長課長としてコンビを組むことになる井上聡と出会う。

ホンマに、うちはコンビ二人ともやけど、ちょっと変わってるというか、よう15年間言われ続けたけど「(憧れてた人は)誰ですか?」って。
でも、誰もいないわけよ、結局。憧れっていうか、井上がオモロイこと考えると悔しいですね、ってくらいで。遊びよ。例えば、なんでもいいんだけど、普通の遊びするのもテレビで観たの真似するよりも、自分らで考えた遊びの方がオモロイ言うて、キャッキャ、キャッキャ言うてた二人がコンビを組んでもうたから。
俺は(理想と現実のギャップは)なかったの。理想がそのまま現実にっていう。やってることは昔となんら変わってない。昔からこんな感じだったの。他の人が見てるところばっかり見るのが嫌な、ちょっとスれてる、二人とも。

オダギリは河本が中学時代、「“創作笑い”をしてた。とにかく人と違うことをやれへんか(と考えてた)」という話を受けて、自分たちの世代について考察する。

あのさ、不思議なんだけど、僕らの前の世代っていうのは、要するに人と同じじゃなきゃ怖かったのよ。何かが流行ったら、みんな一緒。僕がいまだに覚えてるのはニットなんだけどこの辺(胸)に鷲がついてるっていう(服)。ちょっとアラスカインディアンっぽいイメージのデザインのニットがもの凄い流行ってたの。あれ、着たくなくて仕方なかったの(笑)!
でも世の中ではそれが流行ってて、みんなそれを着てたの。(略)だけど、今の日本の若者っていうのはもう確実にそうじゃないんだよね。今の高校生とか、特に個性を大切にするじゃない。何か、僕が自分の主観だけ見ると、自分の世代くらいから様変わりしてきたように感じるのよ。(「右向け右」で)「一緒に右向こう」って日本人から。
(左を)見るべきなんじゃないかっていうね。だから、今日発見できたのは、僕はその中でも、自分はあれは着たくないとか、人とは変わったほうに向きたいと思ってたのは確かなの。それがもっちもそうだったっていうのを聞いて、あ、要するにあの世代くらいからちょっと変わってきたんじゃないかと思うわ。

オダギリジョーの理想と現実

オダギリはもともと映画監督志望であり、河本準一河原さぶ出演の映画「さくらな人たち」を製作している。

僕はね、デビット・リンチっていう監督がすっごい好きで。
                   (略)
とにかくダークでちょっと気持ち悪くて不思議な世界を描く人なのね。その人がすっごい好きだったの。理想だったの。現実が「さくら(な人たち)」だったの(笑)。もう全然違うじゃん。やっぱ天才なの、デビット・リンチって。憧れは憧れなの、もちろん。今でも。で、やっぱ、ああいう映画撮りたいな、っていうのは理想なのよ。なんだけど、筆が進むとああはなんないっていう(笑)。

俳優としての彼もまたその現実に憂鬱を抱えている。

今、憧れてる人? 憧れっていうよりは、こうなんなきゃな、って思ったのは大滝秀治さん。この間のドラマでご一緒して、大滝さん今、84歳なのね。
ホントにもうね、ピーンっとしてらっしゃるの。で、その役者に対する思いが半端じゃないの。僕はどっちかっていうと半分折れかかってるのね、気持ちが。その役者に対する、モチベーションみたいなのが。そっからなんかね、痛いくらい怒られた気がして、大滝さんと話してたら。だってもう、50違うわけじゃん、出来るかなぁって(疑問に)思うね、50年後に、自分が。いや、もう無理だと思う。


なお、今回の放送は前半。来週は後編が放送されます。

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