有吉弘行が毒舌を吐くための10の極意

すでに一発屋だとか二発屋とかの次元を超え、抜群の安定感で活躍する有吉。
そんな有吉が先日まで配信されていた『内村さまぁ〜ず』のゲストMCとして出演し、内村光良さまぁ〜ずを相手に「毒吐き講座」を開き、その極意を披露していた。
これは自身の著書『嫌われない毒舌のすすめ』などにも書かれていることと重なる部分もあるし、実生活で役に立つモノはあまりないが、有吉の批評型芸人としての高い能力を裏付けるもので興味深い。

極意 1

毒を吐く上で一番注意すべき点は「笑顔」である。

これはよく指摘されることで、有吉は毒舌を吐いた後、必ず満面の笑みを浮かべる。本人も大切なのは「毒を言ってるあいだは鬼のような形相でも、言った後は素敵な笑顔」と述べている。「冗談かな、と勘違いする」。

極意 2

毒舌を言っていい人かいけない人かの見分け方は
・「過去10年のデータ
・「顔の筋肉(表情筋)
・「

有吉は猿岩石ブームが過ぎくすぶっていた時代、テレビばかり見ていたとよく言っている。もちろん、彼はただ見ているだけではなく、持ち前の批評型の思考で、頭の中に膨大なデータを溜め込んだのだろう。そのデータをベースにしつつ最終的に頼るのは芸人としての勘である。
有吉「『悪役商会』みたいな(見た目あるいはキャラとして)怖い人に行くべき。ホントの権力者にはいかない」

極意 3

毒舌(芸人)の最大の利点は今はちょうど人数が少ない点である。

極意 4

毒の吐きがいがあるタイプは、声のデカイ自信家な人

「軽い毒でもリターンが大きい。こういう人は世間から嫌われている」。

極意 5

毒の吐きがいが無いタイプは、目は笑ってないが世間では優しいと思われている

これは逆に世間から反発を食らう場合も多いし、相手もキャラを壊され冗談では済まなくなってしまう。

極意 6

絶対に毒を吐いてはいけない対象者は、国民的人気がある人

極意 7

毒を吐いた収録後の正しい振る舞い方は「またお願いします」という一言

収録が終わって謝りに行くのは毒舌芸人のスタンスとして許せない。有吉は「プライドをたもつため謝らない」という。逆に「またお願いします」と言う事で、謝るのではなく、仕事として自分も相手もオイシクなったと思わせるのが大切だ、と。

極意 8

毒を吐いたアイドルが万一泣いてしまったら追撃の手を緩めない

もし、泣いてしまって、慌ててファローに回ると自分も相手もマイナスでしか無い。ここでさらに罵倒すれば、それが笑いになり、番組も両者も面白くなる。

極意 9

毒舌を分かっていないスタッフには番組収録中に直接攻撃を加えるようにしている。

打ち合わせの場で言うのはマイナスでしか無い。言ったところで分からないスタッフは分からないし、使いにくいタレントと判断されてしまう。本番で、スタッフに対し毒舌を吐くことで、自分への言い訳になるし、番組としても面白くなる。

極意 10

有吉が憧れる毒舌芸能人は毒蝮三太夫で、凄いのは自分のことは棚に上げるところ

毒舌芸人として一番困るのは「じゃあ、お前はどうなんだ?」と言われることである。
しかし、毒舌を吐く時、大切なのは「いま、自分のことは関係ないんだ」というスタンスである。

毒舌5段階

最後に有吉は毒舌には5つの段階=レベルがあると説いている。
●レベル1 「単純なモノ」
バカ、デブ、禿げ、ブス ツッコミと毒舌はまったく違う。悪意を持って言うことが大切。ツッコミと毒舌も違う。前者はフォローするためのもの。
●レベル2 「何となく感じたもの(正確じゃなくてもいい)」
嫌い、面白くないなどのごく主観的な悪口。
●レベル3 「人伝で聴いたもの(正確な情報)」
「評判が悪いそうで」「ネットで見ましたけど」「浮気してるんでしょ」など反論しにくい事実を伝える。
●レベル4 「自分が見た素の部分を攻撃」
「楽屋での態度が悪い」「飲み屋で最悪」「ブスと歩いてるのを見た」などで、逃げ道を徐々にふさいで行く。
●レベル5 「ありもしない嘘を投げつける(妄想・狂言)」
「楽屋泥棒」「ロシアのスパイだ」「下着が汚い」など。もちろんここで要求されるのは、世間が何となく抱いているイメージを言語化することだ。

あと、6月には『ゾンビの品格。』という本も出るそうです。