テレビ名シーン採録:有吉弘行「全員が俺のこと嫌いだろって思いながらやってる」

有吉弘行マツコ・デラックスという現在のテレビ界屈指のいわゆる毒舌の二人を並べた『マツコ&有吉の怒り新党』。
開始当初はお互い手探りでかみ合わないことが多かったが、進行役の夏目三久を含め3人の関係性と距離感が抜群になり現在は放送されているトークバラエティの中で随一の面白さを誇っている。
そんな3人がかみ合うきっかけのひとつは4月19日放送の回だったように思う。有吉とマツコのスタンスがはっきり分かるそのトークを今更ながら記録しておきたい。


それは「全部が全部上から目線のヤツに腹が立ちます。特にマツコとか有吉みたいなヤツ」という視聴者からの投稿に対する返答だ。

マツコ: ムカつかれてる自覚ありながらやってるもん。
有吉: なんかね、「すべての人に嫌われてるもんだ」って思って最初からやってるのよ。全員が俺のこと嫌いだろって思いながら
マツコ: うまいことおっしゃる!
有吉: ふふふふふ
マツコ: ホント! それは分かりやすい表現。私たち、味方なんていないと思って生きてきたから、怖くなかったのよ。
夏目: でも、なんかマツコさんって嫌われ役なのかなと思ったら、今、マツコさんの意見を聞きたいって。
マツコ: そんなの絶対ね、一過性の事だと思ってる。だから疑い深いのよ、私たちっていうのは。簡単に人様がワって両手広げて向かいいれてくれても、信用できないの(笑)。
夏目: それって何でですか?
マツコ: たぶん、いろいろしょっぱい思いしてるから(笑)。
有吉: アハハハ。ホントになんか分かってくれる人が出てくるには出てくるんですよ。でも、大概は上辺だけでなんとなーく言ってるんですよ。僕は「ブレイクするってことはバカに見つかること*1ってよく言うんですけど、あの、バカが騒いでるだけなんですよ。ちょっとね、今は。だから。でも、バカはすぐいなくなるんですよ、飽きちゃった、とか、あいつはつまんなくなった、とか(言って)。そん時に人がどれだけ残ってるかですから。
夏目: つまりバカじゃない人たちに支持されるように……。
有吉: だから、バカに何言われても関係ない。バカは言うんだも、そういうこと。
マツコ: うん。なんか、攻撃されることって嫌いじゃない。シカトされるより良くない? 関心がないとか言われるのが一番(嫌)。私たち、ほら、ぜんぜん違うやり方だったけど、全然関心を持たれなかった時期を知ってるから関心を持たれないことのほうがよっぽど恐怖よ。だれにも気付いてもらえない。もう、存在があることすら知られていないこと、あるいは、有吉さんのように忘れ去られてしまうこと、の方が、はるかに孤独だし恐怖よ。
有吉: 「あの人は今?」出たことないでしょ?「あの人は今?」に出たときのスタッフの顔ね、バカにしやがって! 殺してやろうかな、ってくらいバカにしてるからね。もー、それは屈辱的ですから。人に忘れられるってのはホントにツライことですよ。それに比べれば攻撃されることなんてなんともないですよ。
夏目: その時のスタッフを見返してやりたいな、と思いました?
有吉: 見返してやりたいな、と思ったし、絶対許さないとも思ったけど、やっぱり、いざ仕事来ると平気でやっちゃうね(笑)。
マツコ: アハッハッハッハ!


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有吉弘行のブレイク論

*1:<関連記事>「有吉弘行のブレイク論」参照のこと