『芸能界誕生』の誕生

9月20日発売の『芸能界誕生』(新潮新書)、いよいよ見本も到着し、発売間近となりました!
書店によっては今週末辺りに並ぶところもあるのではないかと思います。
新書としては限界に近い334頁の大ボリュームでずっしり。読み応えのあるものになったのではないかと自負しています。

この本は、一本の電話から始まりました。
相談したいことがある
ある日突然かかってきた電話の主はなんと「ハウフルス」の菅原正豊さん。
言わずと知れた『タモリ倶楽部』、『ボキャブラ天国』、『メリークリスマスショー』、『いかすバンド天国』など数多くの名番組を手がけたテレビ界の大物です。『新潮45』で取材し「テレビ屋稼業バカ一代――ハウフルス・菅原正豊」と題した人物ルポを書かせていただいた縁がありました。
(※参考:さんま×桑田佳祐&ユーミンによる伝説的音楽番組『メリー・クリスマス・ショー』がもたらしたもの
詳しい話を伺いに行くと同席していたのは『全部やれ。』で取材した元日テレの渡辺弘さん(『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』、『マジカル頭脳パワー!!』、『THE夜もヒッパレ』などなど)。2人は僕に言いました。
書いてほしいテーマがあるんだ」と。

テレビ界のビッグネームのお二人が僕に話してくれた企画は自分だけでは手に余る壮大なものでした。
そこで僕は『笑福亭鶴瓶論』でご一緒した編集者・金寿煥さんに協力を仰ぎました。
だから『芸能界誕生』は、僕の過去の仕事のつながりで生まれたチームで作られたものなのです!

菅原正豊・渡辺弘両氏の人脈とご尽力のお陰で、マナセプロの曲直瀬道枝さん、ホリプロ堀威夫さん、田辺エージェンシー田邊昭知さん、飯田久彦さん、渡辺プロ新卒1期生の工藤英博さん、3期生の阿木武史さんを始めとするなかなか取材できない方々に取材することができました。

物語は宮城の片田舎で騎馬米兵が老婆に道を尋ねたことから始まります。それが現代の「芸能界」が生まれる“大河の一滴”でした。
そこから様々な星がつながっていき、新しい現代の「芸能界」が生まれていくのです。
ジャズ、ロカビリー、GSブームを通して変遷する芸能ビジネス、成功と挫折、裏切り、そして堀威夫田邊昭知の固い絆…。そんな青春群像劇です!

【目次】
序章 1958年の日劇エスタン・カーニバル
第1部 進駐軍とジャズブーム
  1章 仙台の曲直瀬家
  2章 占領下のバンドマン
  3章 芸能社の興亡
第2部 ジャズ喫茶とロカビリーブーム
  4章 バンド少年たち
  5章 もうひとつのウエスタン・カーニバル
  6章 日本劇場とウエスタン・カーニバル
第3部 テレビと和製ポップス
  7章 火種
  8章 テレビ時代の到来
  9章 レコード会社と芸能プロダクション
第4部 男性アイドルの系譜とGS旋風
  10章 御三家とジャニーズ
  11章 キャンティザ・スパイダース
  12章 ザ・ビートルズグループ・サウンズ
終章 サヨナラ日劇エスタン・カーニバル

巻頭には「前説みたいなもの」と題してなんとハウフルス会長・菅原正豊さんが最高の前口上を書いてくださっています。これだけでも読んで欲しい名文!痺れます!