「てれびのスキマ」的テレビお笑い界2008年ベストフレーズ
ベストフレーズはタモリの弔辞
2008年のベストフレーズは、フレーズというには長文になってしまいますが、赤塚不二夫の葬儀・告別式で述べられたタモリの弔辞。
これは“お笑いテレビ界の”ベストフレーズというのはちょっと気が引けますが、タモさんの凄さをまた再認識させたという意味でも重要ではないかと。
何年か過ぎ、私がお笑いの世界を目指して、九州から上京して、歌舞伎町の裏の小さなバーで、ライブみたいなことをやっていたときに、あなたは突然私の眼前に現れました。その時のことは今でもはっきりと覚えています。赤塚不二夫が来た。あれが赤塚不二夫だ。私を見ている。この突然の出来事で、重大なことに私はあがることすらできませんでした。
あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事にひとことで言い表してます。すなわち、「これでいいのだ」と。
私はあなたに生前お世話になりながら、ひと言もお礼を言ったことがありません。それは肉親以上の関係であるあなたとの間に、お礼を言う時に漂う他人行儀な雰囲気がたまらなかったのです。
私もあなたの数多くの作品のひとつです。
などなど、どの部分を切り取ってもタモリの哲学、人柄がにじみ出ていて素晴らしい。
やっぱり有吉の毒舌も凄かった
そして名フレーズといえば、それを量産された有吉弘行の存在を抜きにすることはできない。
「エロみっともない」「ヒデさん」「元気の押し売り」「バブルの生き残り」などなど挙げればキリのない「世間のイメージを伝えてるだけ」という数々のあだ名は言うに及ばず、ひとたび攻撃された時の切り返しの見事さが際立っていた。
地獄見たことねえだろ!
(「アメトーーーーーーク!SP」でmisonoに対して)
いいんですよ、こっちも知らないですから。
(「お笑いメリーゴーランド08秋」で吉瀬美智子に対して)
いずれも強烈な切れ味の名フレーズ揃い。
その他、印象的だったフレーズを順不同で。
「アメトーーク!」<熟女芸人>でウド鈴木が女性のストライクゾーンを訊かれて。
「18歳から灰になるまで」
「アメトーーク!」<プレゼン大会>でウド鈴木が痔の辛さを表現して。
「便をするか?死ぬか?」
「アメトーーク!」<ホリケンをほっとけない芸人>で堀内健のスベッた出川哲朗に対するツッコミ。
「ドジ!」
「爆笑レッドカーペット」で 今田耕司がレッドカーペット芸人人気について。
「いつみんなが魔法から冷めてしまうのか」
「27時間テレビ」のEDで明石家さんまがビートたけしに「(涙目になって)目が赤い」と茶化されて。
「これはあんたがつけた絵の具や!」
「あらびき団」で浜田雅功が安穂野香の芸を見て笑えない自分に対して。
「俺が遅れてるんかな?」
「M-1グランプリ」で笑い飯西田が敗退(4位以下)が確定した時に。
「思うてたんと違う!」