本日『フェイクドキュメンタリーの時代』発売!

いよいよ10月1日に新刊『フェイクドキュメンタリーの時代』(小学館新書)が発売されます!
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352ページという新書としてはかなり分厚いものになります。
伝説的フェイクドキュメンタリーである『放送禁止』を“ファーストインパクト”と捉え、主に『放送禁止』以降のテレビ・フェイクドキュメンタリーの現代史を描いたものです。

長江俊和さん、中尾浩之さん、竹村武司さん、山下敦弘さん、藤井亮さん、針谷大吾さん、小林洋介さん、大森時生さんといった制作者の方々に実際にお話しを伺い、そのこだわりや発想、意図などを探っていきました。
ちなみに帯にある「テレビがいつも優しいと思うなよ」は、竹村さんが取材中おっしゃった言葉です。

書いてみて驚いたのは、一見バラバラに思えるそれぞれの番組が奇妙なほど何かしらでつながっていることです。
それはまさにフェイクドキュメンタリーを見終わったときに味わう、「あぁ!あれはそういうことだったのか!」という感覚に近いものでした。

「事実を積み重ねる事が必ずしも真実に結びつくとは限らない」とは『放送禁止』の有名なフレーズですが、積み重ねた先にどんなものが浮かび上がってくるか、是非ご一読ください!

本編で扱った主な番組は以下の通りです。

・『放送禁止』及び『FIX』『Dの遺伝子』『香取慎吾2000年1月31日』
・『森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』
・『ぜんぶウソ』、『とんぱちオードリー』
・『タイムスクープハンター』
・『日本のこわい夜~特別篇 本当にあった史上最恐ベスト10』
・『山田孝之東京都北区赤羽』、『山田孝之のカンヌ映画祭』、『山田孝之の元気を送るテレビ』
・『TAROMAN』
・『CITY LIVES』
・『このテープもってないですか?』及び『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』『SIX HACK』
・『ニッポンおもひで探訪』

これに加えミニコラムとして、『放送禁止』前史や、70年代のドキュメンタリーの実験、ネット上でのフェイクドキュメンタリー系ホラーの流行、セルDVDを中心としたノンセンス系フェイクドキュメンタリーや芸人フェイクドキュメンタリー、テレビ・フェイクドキュメンタリーにおける注釈テロップなどについて。そして、『ジョージ・ポットマンの平成史』、『蓋』、『カワシマの穴』や、フェイクドキュメンタリーと親和性の高いメタ系の番組として『ここにタイトルを入力』などについても書いています。

かなり網羅性の高いものだと自負しています!

さらに、巻末には、『放送禁止』の長江俊和さんと『さよならテレビ』の圡方宏史さんとの特別対談が収録されています!
現代のフェイクドキュメンタリーの第一人者である長江さんと、もっとも挑戦的で先進的なドキュメンタリストのひとりである圡方宏史さんとの対話はとても刺激的でした。
『さよならテレビ』はフェイクドキュメンタリーではありませんが、最後にフェイクドキュメンタリー的なカットが挿入されています。その発想の源泉には実はあの番組の存在があった!ということが明かされたり、2人の意外な共通点で盛り上がったりしています。

そして年表フェチなので、当然ながら『放送禁止』以後、つまり2003年~2024年8月までにテレビで放送されたフェイクドキュメンタリー(的/関係)番組の年表も作成しました!
なかなか他にないものになったのではないかと思います!

僕は単著に関しては、80~90年代のことを書くことが多かったので、今回のようにリアルタイムで進行している“現代史”を書くのはひとつの挑戦でした。
実は本書は6月発売予定だったのですが、諸事情で10月に延期になったのですが、そのわずか数ヶ月の間にも、テレビ・フェイクドキュメンタリーをめぐる状況や空気もめまぐるしく変わっていったように思えます。
そうした中でも普遍的な制作者=テレビの愉快犯たちの企みが詰まった本になっているはずです!
本書を読むときっとこんな風に感じるに違いありません。
「テレビってこんなことができるんだ!」

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