2011年テレビお笑い界を振り返る(芸人編)

2007年から自己満足で勝手にMVPなどを選んできました。
で、過去ログを振り返ってみると2007年から2010年まで順にケンドーコバヤシ有吉弘行ブラックマヨネーズ、オードリーを選出していました。この4組は2011年も大活躍でした(特に有吉とオードリーの活躍はまた一段上がった感じでした)が、例年同様彼らは除外して選んでみます。勝手に。

MVP

2011年特に活躍が特にめざましかったのはアンガールズ田中フットボールアワー後藤でしょう。
で、どちらかを選ぶならフットボールアワー後藤
2011年確変した田中*1ですが、僕は今年2012年にさらにまたひとつのピークを迎える*2のではないかと思います。
後藤はいわゆる「スマートツッコミ」がまず注目され、それ自体もイジられる対象に。それをイジられると、さらにスマートにツッコミ返すという磐石っぷり。有吉をして「もっとも汗をかいているツッコミ」と称され、「ドヤ顔」、「マジ歌」での「ジェッタシー」、ファッションの「センスなし」芸人、さらに「運動神経悪い」芸人などなど持ち駒も多彩。
まさに2011年の後藤は脂が乗り切った状態でした。


その他、印象的だったのは、『オモバカ』『IPPONグランプリ』で2冠に輝いた堀内健
IPPONグランプリ』ではヒールターン、『ウレロ』では演技力とチャーミングさという新たな魅力を振りまいたバカリズム
「チャラ男」として再ブレイクして早くも「チャラ男」としての2周目に入った藤森と、屈折した「裏」を語るトーク術で興味をひきつづける中田のオリエンタルラジオ
ジュニアなど普通はイジりにくい相手に果敢に挑み「ガヤ芸人」として完全に一段上がった感じのあるFUJIWARAフジモン
「児嶋あそび」の遊ばれキャラとして定着したアンジャッシュ児嶋。『ロンハー』で独特の価値観で番組の世界を歪め、『世界衝撃映像社』では文字どおり衝撃的な映像と天然を見せつけた狩野英孝
震災後復興の象徴的な立場になりつつも絶妙なバランスで自身のスタンスを守ったサンドウィッチマン。震災以後変わらず不謹慎であり続けたレイザーラモンRG
またバナナマンが1番手、2番手の番組を数多く作られバナナマンの一時代の到来を予感させる活躍でした。
あと、ビートたけし笑福亭鶴瓶をはじめとした大御所勢のあいかわずのアグレッシブさも印象的でした。

新人王

渡辺直美をもはや新人扱いするのは失礼かと思いますが、2011年は彼女の「ビヨンセ」などのネタだけではないバラエティタレントとしての実力が完全に知れ渡った年だったと思います。
ピカルの定理』では大半のコントやゲームで大オチを担当。『バカソウル』でもエースのひとりとして牽引。『オモバカ』では絶対王者劇団ひとりに初の黒星をつけ、準優勝。『いいとも!』でもアシスタントからレギュラーに昇格しての返り咲き。
圧巻でした。


その他では、熱くて男前な真栄田と飄々とした内間のスリムクラブ。『ロンハー』でのvs有吉などが定着した「ポン村上」ことフルーツポンチ村上平成ノブシコブシ吉村などが印象的でした。
また、新人とは違いますが、古坂大魔王の復活、表舞台にも踊りでたコラアゲンはいごうまんも書き留めておきたいところです。
あと、『ゴッドタン』のあいな、『クイズ☆タレント名鑑』のカラオケ素人コンビ、『シロウト名鑑』のシロウトたち、『リンカーン』の大竹妹などいわゆる「素人」の活躍も目立ちました。

ベストフレーズ

なんといってもどう見ても性格が悪いとは思えないアンガールズ田中が『ロンハー』の「女性が選ぶ本当は性格が悪そうな男」で第1位に選ばれてしまったときの魂の絶叫が2011年のベストフレーズではないかと思います。

もうヤだよ〜、ハゲちゃうしさあ、不細工だし、女遊びしてないし、何を拠り所に生きていけばいいんだぁぁぁ〜っ!!」(田中卓志

他にも田中はネガティブなフレーズを発せさせたら天下一品。
「(毎分気持ち悪くなっている、と言われて)な〜んで毎秒じゃないの〜ぉ?」「俺だってテレビに8年出てるんだ!なかなかのもんじゃない!?」「神様ちゃんと不幸のバランス取ってくれてるぅ?」「ジャンガジャンガ以来のブレイクポイントが来たと思ったら『anan』の「抱かれたくない男」「行けぇ~、田中、2位にスベリこめぇ! ダメだったかぁ田中ぁ、お前に賭けてたのに、すっちゃったよ、全部」「よぉーし、田中、次回がんばれよぉ!」「俺の10位(最下位)は救いがなさすぎるぅぅぅぅっ!」「(自分が映るモニターを見て)なんだこの顔っ!? 悪魔みたいになってる!」「怖くなってきてるよっ! これだけ言わせて。怖くなってきてるよっ!!」などなど。特に『ロンハー』格付けのラスト数分は田中の独壇場です。

「"キテる”というのは自分のポテンシャル以上の仕事が来てることを言う」
「(安易に「プロレス的」という言葉を使われて)まずはちょっとプロレス業界全体に謝ってほしい」
「(重盛*3道重に)まだ子供なんですよ、反抗期なんです。セックスの話出来るようになりましたか? じゃあ、黙ってなさい。自分のこと可愛いとかいうでしょ? あのギャグ受けないから。NON STYLE井上と一緒です」
「(綾部に)吉本でそうやって(不満が)煮えたぎってるっていうのを聞いて安心しました。吉本以外ではもうアウトなんで」
「全員が俺のこと嫌いだろって思いながらやってる」
「俺のことを『嫌い』って言っちゃう奴は、もう負けてるよね(笑)」

などなど2011年も有吉は至言を連発。

八百長じゃないよ、エンターテイメントだよ!」「片道分のガソリンしか積んでなかった」「僕、これ(ウド)を扱う説明書持ってない」「問題の温度差ありすぎでしょ! 温度差で風邪ひくわ!」「この球種は受けたことないですねえ」「またトリッキーなめくり方してくるやん」「やめろ、その傷まだカサブタになってない」「高低差ありすぎて耳キーーンってなるわ!」「カロリー高い企画ばかり呼ばれる。また赤紙が来ましたよ」「インテリジェンス溢れてビチャビチャになってるやん」「今日なんか、アメとムチのアメが甘いねえ」「プレッシャーで右心房がつぶれそうです」「もう(『高低差』イジられても)味せえへんって」

などとフットボールアワー後藤も独特な語彙で「スマート」な名フレーズを次々と発していました。


それではそれ以外の名フレーズを通して超ざっくり2011年を振り返ってみたいと思います。(※長いです。順不同。ラジオもちょっと入ってます)

*1:よく「キモカワイイ」から「カワイイ」がなくなって「キモイ」だけ、と言われますが、今こそ田中の「キモカワイイ」さが堪能できます。

*2:コント作家としてさらに再評価を受けるハズ、というかそうなってほしいです。

*3:訂正しました

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