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堀井雄二が語る『ドラゴンクエスト』の魅力

ゲーム ブログ

8月20日に発売された「オトナファミ 9/24号」は、「カリスマエンタの創り方」と題して、松本人志浦沢直樹などのクリエイターに創作法をインタビューしている。そんな中で、『ドラゴンクエスト』シリーズなど数々のヒットゲームを創作した堀井雄二のインタビューが特に興味深かった。


これぞ『ドラゴンクエスト』だ、という要素は? と問われた堀井は以下のように語っている。

懐の深さですね。例えば『ドラゴンクエスト』の基本姿勢は、ある程度の“ズル”を許容範囲だと考えて作っているんですよ。『2』の福引所とかそうですが、福引券が当たったら売ってお金にしたり。人間って自分で発見した“ズル”がうまくいくと燃えるんですよよね(笑)。メタルスライム狩りだったり、そのこと自体にも思い入れが出来て、やる気になっていく。『9』でも、マルチプレイを利用すれば、本来ならストーリーを進めないと手に入らない強い武器を買えたりします。というようにプレイヤーが、より能動的になれるように、いろんな工夫をしてるんです。じつは能動的にさえなれれば、どんなゲームも面白くプレイできるんですね。

すなわち僕らは堀井の手のひらで踊っていたのだ。それでもその踊りは心地良い。

堀井がゲームを製作する際、もっとも気を付けていることはなんなのだろう。

ゲームは、わかりやすさ、遊びやすさだと思います。何をすればいいのか分からない状況が一番辛い。僕自身が取扱説明書を読まないですし、感覚的に分からないと嫌ですね。だから『ドラゴンクエスト』では、それを極力無くしているんです。とにかく敷居は低く。触れればすぐに「あ、こうやればこうなるんだ」とわかる。そのあとに「じゃあ、こうやったらどうなるんだろう?」という期待感を持たせて、それが持続していくようにすれば、割とみんなプレイしてくれるんですよね。


ドラゴンクエスト1』が発売された頃は、まだ「RPG」という言葉は世間はもちろんゲームユーザーにもほとんど知られていなかった。だから、それを分かりやすく伝えるために様々な工夫を凝らしたようだ。

(『1』が発売した)’86年当時は、アクションゲームが主流で、コマンド式はなかった。どうすれば分かってもらえるかと考えて出来たのが(ゲームのスタート直後に出てくる)王様の部屋です。「この部屋の中に放り出されて、どうすればいいんだろう」って思うわけですよね。で、十字キーを押してみると「あ、動く」とわかる。Aボタンを押すと“はなす”があって、王様や兵士と会話できる。画面には宝箱が見えていて“しらべる”と“とる”で鍵が手に入る。”とびら”で鍵を使って、“かいだん”で階段を下りると「部屋から出られた!」となる。階段を下りた時には、操作方法がひと通りわかってる、という風に作ったんですよ。レベルもスライムを2〜3匹倒すとすぐ上がる。強くなったという実感がすぐ湧くようにそういう色々な工夫をしましたね。

この話を聞いて思い出すのは、『スーパーマリオブラザーズ』では、ゲームをクリアするための全ての要素が「1−1」に登場している、という話だ。
堀井は「どんなに凄いモノでも伝わらなければ意味はない」と語る。
「ユーザー視点で見れること」それが、自分の一番の才能だ、と。