内村光良とさまぁ〜ずのお笑いの話

現在(6月1日〜14日)配信中の『内村さまぁ〜ず』は東京03をゲストに迎え「ちょいと一杯ひっかけたい男達!!」と題された企画。
内村とさまぁ〜ずを最初からホロ酔いにさせ、彼らから本音を聞き出し、芸能界を生き抜く術を探ろうというもの。
打ち合わせの段階からお酒を飲まされホロ酔いになるように指示される3人。ただし「泥酔は禁止」と。
その企画内容を聞いくと「本音って何?」と言い合い、三村は「熱い話でいいわけね?めちゃくちゃ熱くなっちゃうよ。ここだけの話、東京03ボロボロになっちゃうよ」と宣言した。
果たして、その言葉どおり全編が見所のド熱い話連発でお笑いファンは必見の内容だった。
記録用に一部書き起こしましたが、とりあえずまだ(6月14日までは)配信中なので「まず見て!」というのがすべてです。
『内村さまぁ〜ず』#135「ちょいと一杯ひっかけたい男達!!」
 http://uchisama.com/
なので見れる人は続きを読まずに無料配信中のうちに是非見てください!


『お笑いさぁ〜ん』やゲスト出演したラジオ『バナナムーン』などでもお笑いに対して熱い話をしていた三村はやはり酔いがまわるにつれどんどん熱くなっていく。それにつられて普段そういった類の話をする機会の少ない内村や大竹もその話に加わり、まさに「伝説の回」になった。

ローラが分かるまで

東京03からの質問にホロ酔いの3人が答えていくという構成で始まったこの企画。
まず最初の質問は「自分が売れたと確信したのはいつ?」
番組冒頭でも「爆発的に売れるにはどうしたらいいのか?」という問いに三村は「爆発的に売れたのはこの方(内村さん)だけで。俺らは発展途上なんだよ、まだ」と答えていた。

大竹: まだ(確信したこと)ないです。まだない。「売れた」ってなにかね?
三村: 酒がたりねえよ、バカ!
大竹: どうやら(三村は)あるらしいです(笑)。
三村: まったく見ず知らずのジャンルの人に「三村さん」って言われた瞬間だよね。それだけテレビを見てくれてるって証じゃない。その瞬間は訪れてないでしょ、まだ?
東京03: ないです!
三村: 内村さんは? こういうの俺も聞いたことない。
内村: ……(可愛く)教えないよぉ
一同: (笑)
内村: 『いいとも!』出た時かな。あれで全国区になったって。熊本の人も分かってくれた。あれで俺、すごく認知度拡がったなって。地元が知ったってのがとにかく大きかったな。
三村: 熊本出身だとNHKとかいいとも!とかでないと放送されてないから。
大竹: 関東ローカルのやつも多いから。
三村: うちらは東京出身だからそれこそ東京12チャンネル出ても喜ぶわけよ。そこら辺のギャップはやっぱりある。
大竹: 最近かな、九州とか北海道とか端っこの方の地方に行った時に年寄りに声をかけられた時に、なんで知ってるの?って。 
内村: だから俺も内村の下の「光良(てるよし)」がいまだにわからないからもっとがんばろうと。
東京03: えーーー!
飯塚: みなさんがそういう感じ何ですか? 「安泰」みたいに思うことはないんですか?
大竹: この前もローラに名前覚えてもらってなかったから、ローラが知るまでだね!
内村: そうだね。俺もローラは「内村」まではわかるけど下の名前はわからないって。だからローラが分かるまで!
飯塚: ローラさんが基準なんですか?(笑)

「ローラが基準」

ネタのルール

続く質問は「ネタを作る時にこれだけはやらないと決めていること」。
大竹はまず東京03のルールを尋ねる。

飯塚: 僕らはコントなのでそのキャラクターの人が言わなそうなことは言わないって
大竹: 一緒だよ。
三村: そこは心に決めてる。おじいさんと若者(のコント)だったら、若者がおじいいさんを叩いちゃいけないって(常識が)あるじゃん。そこは守る。
大竹: 急に(若者が)「なんだお前!」とかは言わない。だから一緒だよ。そこ(会場)で赤ちゃんが泣いていても「会場で赤ちゃんが泣いていますけど」とは言わない。(コントの中では)「会場」じゃないから。
内村: 深い話ですよ
大竹: 役から離れてはいけません。 いるんだよ、たまに裏の話しちゃうのが。
飯塚: あれ冷めますよね。
三村: 冷めちゃう。「おじいちゃん役だろ!」とか。……(そういうこと)は言わない!
飯塚: それはもうずっとですか?
大竹: それはもう結成した時から。
豊本: 二人で話し合って決めたとかそういうことですか?
三村: いや、(それまで見てきて)冷めたシーンがいっぱいあるから。
飯塚: でも、ウケるんですよね、(設定が)ズレると。
大竹: そう、だからそこは(安易にならないように)徹底してる。

「役から離れてはいけない」
2組ともロングコントを得意としているだけに話が噛み合う。


そして話題はショートコント主体の内村へ。

内村: 「これだけはやらない」じゃなくて、うちらは2組と違ってショートコントだったから「いいところ」で終わるっていう。
東京03: あーー。
内村: 一番ウケたところで「ありがとうございました」って。
大竹: じゃあ、たとえばもう一個後ろに「あれやりたかったな」っていうのがあるとするじゃないですか、それも我慢して捨てて?
内村: 捨てて。一番ピークのところで終わる

「『いいところ』でちゃんと終わる」

天才と天才

どんどん酔いが深まる中「相方のスゴいところと不満なところ」という質問へ。

三村: 俺なんか、言っちゃうけど、大竹はね、天才なの。
内村: 言っちゃったね(笑)。
三村: 何に天才かというとまず全仕事面倒臭がらないの。これがスゴい。で、ある程度、俺が思ってた点数は出してくれる。ただ爆発力に足りてないけどね
大竹: ハッハハハ!
三村: 100点は出さないけど80点は出すよね。そこらへんのオールマイティさっていうのは俺にない器用さというか。そこらへんは俺は評価に値する。
飯塚: 逆なイメージでしたけど!
大竹: 大体の人はどの仕事もおんなじ位するけどね。通常はね。
角田: これはなかなかシラフでは言わない会話でしたね。
三村: 言わない、言わない。だって相方なんて褒めないもんね。
角田: そりゃそうですよね。大竹さんは?
大竹: 三村さんですか? えーー、天才ですね。このタイプ見たことないでしょ。
内村: うん、このタイプはない。
大竹: このタイプはね、0点も出しますけど、100点を出す。2割1分8厘の40本でしょうね。
三村: なんで(喩えが)野球なの?
大竹: ホームランバッターでしょうね。だから普通の真面目なことは一切できませんけど、奇跡のホームランを打つタイプ
三村: 奇跡のホームランね、打つのよ
大竹: あと、笑いに真面目! こう見えて。
三村: これはこう見えてないでしょ?
角田: そうですね、イメージはそうですね。
大竹: バカにされがちなんですけど、真面目です。
内村: 真面目ですよ。
大竹: だからお笑いの審査員みたいなのを三村さんやったら相当巧いとおもいますけどね。ただ、一切呼ばれない
一同: (笑)。
三村: キャラクター上ね。
大竹: でも俺も言うんです。こいつに真面目なこと言ってほしくないんです。だからいいんです。何にもできなくて。
飯塚: なるほど、イメージ的には。
三村: 俺の一番有能なマネージャーは大竹なの。
東京03: ほーーー!

三村の「一番有能なマネージャーは大竹」。

ずーっとバカでいてほしい

そして内村の相方、南原清隆の話題に。

内村: 南原ですか。良いところ、、、ハプニングがスゴいですね。 
三村: それが一番に挙がるって(笑)
大竹: 出川さんと一緒じゃないですか!
内村: (笑)。ハプニングが神がかっているんです。なんでそういうラッキーさが彼にあるんだろうって羨ましい時が多々ありました。
大竹: 不器用なんでしょうね。
内村: なんだろう、だから南原でがーんと売れたからね、うちらは。俺、だからあんまり喋れない子だったから(笑)
三村: なんか人見知りみたいなところあるから。「南原バンバンバン」で爆発したんでしょうね。
内村: (南原が)前面にバーンって行ってくれたからね。それで売れることが出来ました。ずーっとバカでいてほしいですね。
三村: 今、『ヒルナンデス』で落ち着いてるけど、バカなんだよ。
一同: (爆笑)
飯塚: バカのイメージが全然ない。なんならインテリのイメージがある。
三村: インテリぶっちゃってるんだよ!(笑)
大竹: インテリになりたいんだろうね(笑)。
三村: 俺らが言うと角が立つよ!(笑)
飯塚: 俺らには荷が重いよ!(笑)

ウッチャンナンチャンは南原で売れた」。

「論」を言わない

続く質問は「一番影響を受けた先輩芸人さん」。

内村: 影響はもう全部ですね まずはドリフね。ちっちゃい頃はそうでしたね。、で、『ひょうきん族』。たけしさん、さんまさんの…、カッコよかったね。 
飯塚: 『ひょうきん族』の頃っていくつくらいだったんですか?
内村: もう高校終わりくらいだね、多分。
大竹: 俺、小、中(学生)だから。
三村: 言っても(内村さんと)3つ違うから、年が。だから、あん時の3つって全然違うから。
内村: コント55号もライブで見てるから。
飯塚: ええーー!
内村: そこからも影響は受けてる。
大竹: (俺らは)ドリフから『ひょうきん族』。
内村: そうだよね、そこ違うよね。3つでぜんぜん違う。

ちなみに内村は1964年生まれ。さまぁ〜ずは1967年生まれ。内村と二人は3歳違い。
コント55号の全盛期は1970年前後(内村が6歳頃)。遅くても75年(内村11歳)にはそれぞれピンの仕事主体になっていたはず。ドリフは『8時だョ!全員集合』が始まったのが1969年。志村けんが加入したのが1974年だ。絶頂は76年(内村12歳)の「東村山音頭」のヒットから80年代初頭(内村、高校生頃)といわれている。
ひょうきん族』は、1981年(内村17歳)から1989年(内村25歳)まで放送されている。
なおウッチャンナンチャンは85年デビュー。ダウンタウンは82年にデビューし88年頃東京進出。とんねるずは80年デビュー。そしてさまぁ〜ずは89年にデビューしている。

内村: この世界入ってやっぱり一番接してる人に影響を受けたから、タモさんと鶴瓶師匠かな。一番長く『いいとも』で一緒にやってたから。
三村: テレビ見てるのとこの世界入ってからはやっぱちょっと違いますよね。
大竹: 凄い人達は皆ホントにスゴいわ、接すると。テレビであんまりわかんないよね。
内村: クルーザーで遊び連れて行ってもらったりとか、鶴瓶師匠とか俺らとか乗って、すっげえ楽しかった、なんか。それだけで、全然お笑い論とか言わないの。でもね、自然に教えてくれた、なんか。無言で語るみたいな感じだったんだろうね。
大竹: なんにも言わないですよね。内村さんもなんにも教えてくれないもん。なんにも教えてくれないんだよ!
内村: (笑)
大竹: 「論」を全然言わない
三村: だから今初めて聴くことが多い。いい機会を与えてくれた!

出来ないパワーは尋常じゃない!!

そしてさまぁ〜ずが影響された芸人の話へ。

大竹: (内村さんと)同じ道ですよね。
三村: ドリフ、『ひょうきん』(の道は)似てんの。そっからウンナンダウンタウンは(テレビで)見たの、やっぱり。
大竹: とんねるずも。
三村: だから雑誌とかで言うの。その集大成がさまぁ〜ずにあるって。集大成って偉そうだけど。
大竹: ハッハッハ。
三村: 全部の武器をとりいれたのが俺らにはあるんだぜって言い聞かせてここまできてるのよ。
飯塚: ほーーー。でも全部吸収したって言ってもさまぁ〜ずさんのカラーって最初から強かったじゃないですか。
大竹: いやまあ、だから(先輩芸人と比べて)出来ないからね、なんにも
三村: 出来ないパワーは尋常じゃないから!
飯塚: いい言葉ですねえ。
大竹: どれだけ笑いが好きか、その一個です!
三村: だから台詞でとらないで、顔で笑いをとれ、という。ね。内村さんの顔芸に通じるもんがある。
大竹: 内村さん顔芸だから。
内村: (笑)。
大竹: 最後は顔芸だから。台本とかね、言い回しとか色々あるけど、最後は顔だから。
三村: よく内村さん見てみ。大体顔オチじゃん!
内村: アハハハッ! 最終的にブルース・リーが出てくる。

「どれだけ笑いが好きか、その一個」「最後はやっぱり顔芸」

お笑い年表に、載りたいと思えよ!

番組後半は東京03も飲み始めて質問を引き始める。「お笑いの最終目標は?」という質問を引いた東京03飯塚。
完全に酔っ払いいちいち絡んでくる「迷惑なおじさん」になってしまった三村がどんどん熱く乱暴になっていく。

飯塚: 僕らはテレビではダメだと思ってるので、ずっと単独ライブで食えるようになりたいんですよ。
三村: バカか! 上に行かなきゃダメだろうが!
飯塚: ライブやってるのが一番楽しいんですよ。
三村: くっだらねえよ。ライブなんてしょせんオナニーなんだよ、絶対的に。
飯塚: そうですよ、わかってますけども。なんとかそこを世間の人に認めてもらって……、
三村: お笑い年表に、載りたいと思えよ!
飯塚: 僕らはそこまでの才能はないです!
三村: じゃあ、辞めちまえよ!
一同: (笑)
飯塚: そこをなんとか辞めずにやっていく手段としてやっぱライブしか無かったんですよねえ。だからライブで食ってくっていうのが最終目標ですね。
三村: どーでもいいけどさ……、
一同: (笑)

休憩中も「東京03は(テレビで)売れるって思わないんだよね」と言っていた三村。その「核心」の理由をベロベロのまま語る。

三村: 気の利いた一言をテレビで言わないからだよ。
大竹: それって致命傷だな。今日もだって一回も言ってないもんな。
三村: いいんだよ、ライブで面白いのは解ってるんだから、あとはテレビだって言われた時に、テレビなんか5割のチカラでいいんだよ! これはすげえ顰蹙買うけど今テレビ見てる人はね。でも5割のチカラっていうのは5割のチカラで言うんじゃないよ、無責任に言うってこと。
飯塚: それで気の利いたことですか…。
三村: 気の利いたこと。

「気の利いたことを言う」
そして最後に泥酔状態の三村は真理を叫ぶ。

三村: 俺が『内村さまぁ〜ず』で学んだのは、「スゲェ面白い」って思わすことなんだよ! バカっ!

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