阿部サダヲの「スジナシ」における「破れるに壊す」パンクな演技
グループ魂の新アルバム「TMC」でもパンクなパフォーマンスを聴かせてくれる破壊こと阿部サダヲですが、以前「鶴瓶のスジナシ」に出演した時の彼の演技は、破壊以上に破壊的だった。
設定は「社長室」。
社長=鶴瓶、部下=阿部という構図で行くと思われた序盤から、一気に立場が逆転し阿部が社長に。
しかも、鶴瓶の娘(ヨウコ)と付き合っていると自ら告白し、さらに本妻までいるという設定が付け加えられ、なおかつ、社長をやめ、新しい会社を作ると宣言する。
という、かなり破天荒なストーリーに。
これに対し鶴瓶「自虐性が強すぎんねん! 自分から不利なほう、不利なほうに行って」と笑う。
「喋んないほうがいいのかな」と思っていたが
「でも共演者の方に失礼かな、と」無言でいることをやめたという阿部。
「いや、いいんですよ、それで」と鶴瓶。
これに対し阿部は「(無言で通すような)そんな勇気無いんですよ」
・始まると同時に笑い出す鶴瓶。 この時点では明らかに部下のように座っている鶴瓶に対し、直立不動。
阿部「後々分かりますけどヨウコさんのこと言わなきゃならないという(演技)」
鶴瓶「アホか! こんなところから決めてないわ!(笑)」
阿部「見えてないからいいですけど、下であのカズコ(本妻)との結婚指輪はずしてポケットに入れたんですよ、(直立不動のVTRを見ながら)ほら、ココ!」
鶴瓶「いい加減なことを!」
・態度豹変し社長に。阿部、冷たい男前演技。 阿部「何度言ったら分かるんだ、駿河くん!」 ・探りあい 商品開発の話などを展開。
阿部「この頃のことは記憶ないです。(上の空で)今、ああ、名古屋(収録場所)にいるんだ、と」
・リストラ話から突然阿部の告白 「君の娘さんとお付き合いしてるんだよ」
商品開発とか自分の頭の中に無いという阿部が強引に話を展開させていく
「もう12年」
と、年齢設定に無理がある展開。
阿部の暴走が始まる。
「子供も2人、ごめんね」
「高校時代からですよね、ウチの娘が高校時代……」と鶴瓶が必死に計算して軌道修正していくのに対して阿部の暴走は止らない。
「ボクが中学生」
何のためらいも無く「言うたった」っていう表情。
鶴瓶「話、創っていこうという気、あんのか!」
阿部「だって、いろんなお題出して、落語家さんに落としていただくという……」
鶴瓶「そんな番組ちゃうわ!」
阿部の暴走は続く。
「子供が8歳と4歳、上が男で下が女。
学とこうじ。下が女で、こうじ」
阿部「(あまりに無茶な設定に)自分でも言っててこれは良くないな、と」
・かなりマニアックな2人の馴れ初めを明かす阿部。 「夏休みで鎌倉に一緒に行ったじゃないですか、家族で。 (鶴瓶は)うちのおやじと一緒に呑みに行って。 ヨウコさんと2人きりになって、 ヨウコさんが『見る?』って」
鶴瓶「どういうことやねん!」
阿部「中学生の時、憧れるじゃないですか(笑)」
・鶴瓶の反撃 「タカシ君、結婚してたじゃないか!」
阿部「これ、びっくりしましたね。わー、悪い人だな、と」
さらに急展開。
・阿部、社長を辞めたことを告白
「ヨウコと一緒に小さいけど定食屋を始めることに……」
「新しい会社ね、株式会社……『チャーハン』」
鶴瓶「壊れていきますよ」
鶴瓶「前の奥さん、どうすんねん!」 阿部「言いずらいんですけど、本妻もチャーハンの一員なんです」
そして、ラストシーン。
阿部「社歌を作ったんですよ」
鶴瓶「悪い予感した」
阿部「みんなでパラパラ、チャーハン……、その後がまだ……」 と歌いながら踊りだす阿部。 鶴瓶も真似し踊りだす。 鶴瓶「♪みんなでパラパラ、チャーハン…… たまごがたっぷり、チャーハン」 鶴瓶の即席の歌詞を慌てて書き留める2人。
阿部「親子になりましたね」
そして、2人で踊りながら終了。