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若林正恭と山里亮太の“ナナメの夜明け”

1月31日の『ミレニアムズ』は「カスママ」の店に来店したゲスト・柳原可奈子が、「絶対あいつら卑屈疲れしてると思う」とシュートな発言をしたことから、とても刺激的な放送となりました。
この回は、『ミレニアムズ』のひとつの分岐点になるんじゃないかと思い、日刊サイゾーの連載コラムにも書きました。

柳原の一言に南キャン山里大慌て - 日刊サイゾー


というわけで、ブログの方には、柳原とミレニアムズのメンバーとのトークを書き起こしてみたいと思います。
なお、コーナーの設定は、春日扮するカスママの店にお客さんとして柳原可奈子が訪れたというものです。その常連客が『ミレニアムズ』の番組ADの“3人娘”にゃんちゅう(山里)、なべこ(若林)、オーサワ(村本)。書き起こしはわかりやすく役名ではなく本人の名前で記しています。

柳原: 仕事でコントやってるんだけどさ、人間観察的な、人のことナナメじゃないけど、そういうようなネタをやらせてもらってるじゃない? それをやってるからか取材とか打ち合わせとかでさ、「どういう女性がムカつきます?」とか「どういう時に自分のことを腹黒いとかって思います?」とか、「もっと柳原さん、ナナメの目線ください。もっと意地悪な目線ください」みたいな。……疲れちゃった(笑)。
若林: これは結構な爆弾だぞ! ホントの酒が必要だぞ!(笑)
山里: 相撲取りがこれ以上太りたくないですって言ってるのと同じだよ。
柳原: アハハハハ!
春日: それでやってきたわけだからね。
山里: すごいんだから。ナナメ目線の柳原さんの角度が面白くて。
若林: そうそうそう!

自分の悩みとして語っていた柳原が、ここから矛先を一気に『ミレニアムズ』のメンバーに急展開させていく。

柳原: 私、すごい『ミレニアムズ』っていう番組が好きで見させてもらってるんですよ。あの番組のメンバーって「卑屈」みたいな感じで言われてるじゃないですか。「卑屈なエピソードください」とか、「どういうときに自分のこと卑屈だと思いますか?」とか、「ねじまがってると思いますか?」とかコーナーにされててすごい面白いなと思って拝見させてもらってるんですけど、そんな毎日毎日卑屈なわけじゃないと思うんですよ。すごく、「あ、空が綺麗だな」って思う日もあると思うし、たくさんの人と楽しく飲みに行く日もきっとあると思うんですよ。
若林: そうそう。
山里: (あたふたする)
柳原: だけど、そういうふうに卑屈ばっかり求められて、絶対あいつら卑屈疲れしてると思うんですよ(笑)。
春日: アハハハ。
山里: ダメだよ、この船に乗ったら『ミレニアムズ』は終わるかもしれない
柳原: アハハハハ!
山里: この船に乗っちゃダメ!
村本: 今、その船、涙で水没しそうになってる(笑)。
山里: ちょっと待って!とんでもない客が来た。
若林: 一回、船、ぶっ壊してみようよ(笑)。
山里: なべこ(若林)さん、なべこさん!ダメですって!
春日: ADなんだからさ*1、傍から見てどうなのよ? 卑屈疲れしてるなって思うわけ?
柳原: 泉のように湧いてくるわけないと思うの。
山里: 泉のように湧いてくると思いますよ、あの人達は。卑屈の集合体ですからね?
若林: いや、中には…、
山里: いや、ってなんですか!
若林: (笑)
春日: なに、なになに?
若林: やっぱり打ち合わせなんかで「これについてどう思いますか?」「ムカつきますよね?」たとえば「ハロウィン」。ハロウィン仮装する人をイジっちゃうってことが、ナナメ側からしたら王道過ぎて、それをやっちゃ王道すぎるじゃないってわけわからないゾーンに入っちゃって。この間訊かれたのが、「お正月に子どもと撮った写真を年賀状に貼ってる年賀状を送ってくる奴ムカつきませんか」って言われて、それ嫌っちゃったら、人として終わりじゃん。友だちの子供の写真送ってきたのを何だコイツって思ったらダメじゃん!
春日: そうねえ。
若林: 元気だなって。そういうのが結構ある。
春日: 逆にさ、普通の趣味とかないの?
柳原: ホットヨガ(笑)。
若林: いや、いいと思う、いいと思う!
柳原: だから私も、それこそハロウィンとか、ブログに写真上げる女性とか、ホットヨガでなんとか、みたいな。
若林: ホットヨガは出てくるよね、その中のワードに。
柳原: 散々、一周バカにしてみてそこが一番居心地がいいの(笑)。
春日: 結局自分がやるのが。
柳原: 憧れだったんだと思う
若林: なるほどね! 若林さんグアム行ったらしいんだけど、「I LOVE グアム」って思い切り書いてあるTシャツ売ってて、それを着てる奴をバカにしてきた人生なんだけど異様に心が惹かれて、どうしても欲しくなっちゃって、グアムでずっと「I LOVE グアム」ってTシャツ着て、ジェットスキー乗ったら信じられないほど楽しかった(笑)。
テロップ:「若林さんは現在ベタを満喫中
柳原: わかるぅー!
山里: それは…それは嫌だな! 歳は一番上だけど、まだそこと戦っていきたいと思ってる。
若林: いや、そうなのよ! 若林さんは山里さんに内心思ってたらしいのよ。
山里: それは聞かせて。このタイミングで。
若林: なんかね、英字新聞とかオープンカフェで読んでる奴なんなんだよ、みたいなことを山里さんが言ってたらしくて、若林さんは内心では、「あ、まだそこなんだ」って思ってたらしい(笑)。
山里: いやいやいや! 若林さんね……、ちょっとね、あのーー、ママ、ちょっとごめんなさいね。なべこ(若林)さん、それマジっすか?
若林: アハハハハ!
春日: どうした、どうした!
若林: たとえば『アメリ』を見る奴はナシとか、そんなことを言う奴が増えたのよ。そいつらに対してもナナメになってくる。いいじゃん、別に『アメリ』好きで、みたいなゾーンに入ってきたらしいのよ、若林さんは。でも、山里さんは、まだそこらしくて。
山里: え、山里さんって、本人先頭走ってると思ったら周回遅れだったってこと?
一同: (爆笑)
柳原: そうそうそう!
若林: これ、難しくなってるよね、今ね。
山里: ちょっと待って! すっごく傷ついてる
柳原: 世の中的問題だよ。
山里: 柳原さんも、もう山里さんみたいな人って…、イヤ、絶対怒らないから教えて欲しいんだけど、もう山里さんってダサいの? 絶対怒らないし、ホントに聞かせて。
春日: 受け止めきれるのか?
山里: 柳原さん、逃げないで!絶対に店の外に持っていかないから、で、若ちゃん、いあやなべこさんの…、
若林: 若ちゃんって(笑)。落ち着けぇ~!
山里: 後で飲むときも、あれ、マジで?とか言わないから教えて。
春日: ここだけで、終わる?
山里: 正直言います。僕はもう、止まってるの? 
一同: (笑)
村本: 成長がね。
山里: 僕っていうか、山里さんは今、全部、噛みつきたくてしょうがないの。ケータイのメモにそういう人をどう攻撃するかをびっしり書いたやつを持ってていつでも出せるらしいのよ。それが今、恥ずかしくて開けれないのよ。
若林: (笑)
村本: みんなが味方なのかどうか確かめたいのね?
山里: そうなんです。(浅野温子風に)怖いの、ねえ、怖いの!

これをやっちゃったらこの番組、コンセプト大丈夫?」と山里がパニックに陥る中、『スッキリ!』でともに「天の声」を務める同士の山里と柳原はなぜか二人で「おっはよーございまーす!」と声を揃え叫ぶ。

若林: ナナメの夜明けだ! ついにこの時代が来たか。いつ来るのかなって思ってたから。
春日: 今日だった!
若林: キューブリックの映画観る奴はカッコつけてるとか、もう辞めなよ。
山里: (唇を噛んで無言で飲み物を飲む)
村本: それ、思ってたの? 
山里: ケータイ見せてやるよ、それ書いてあるよ!
一同: (笑)
山里: もうそういう人たちにやっかんだり噛み付くのって、もう柳原さんはやらないんですか?
柳原: え、でも、コントは全然やります。私生活の、なんていうんだろうな? 避けてきたこと? みたいなことを辞めようかなって
山里: ああ、なるほどね。ハロウィンに代表されるような…。
柳原: 私にもし子どもが生まれたら、積極的に子供の顔写真入りの年賀状送ろうって。今はそういう気持ちになってる。
春日: なるほど。とりあえず、やってみるってことね。
柳原: うん! だから山里さんは早く楽になったほうがいいよって伝えて(笑)。


最後に日刊サイゾーのコラムに引用しようと思ったけど、ちょっと長くなってしまうのでやめた、若林のエッセイ『社会人大学人見知り学部 卒業見込』の一節を引用します。

人と人生は複雑だが、世界の成り立ちは素直なのかな?
最近そんな気がしてきた。憤りの割合が極端に減った。憤りがない分、自意識と向き合う時間も減った。
        (略)
散歩しながらニルヴァーナを聴いても、公園のベンチで『ヒミズ』を呼んでも以前のように心がざわつかない。
ざわつかない代わりにぼくの心の真ん中には「穏やか」が横たわっている。
心の健康状態は良い。
だけど、空虚だ。
大好きなおもちゃを取り上げられた子どものような気分だ。

これが書かれたのが、2012年半ば。それから約2年半、若林は新しい“おもちゃ”を手に入れたのかもしれない。

*1:繰り返しますが、若林、山里、村本は番組ADという設定です