芸人たちが己の人生を「0→1」にしたあの頃を描いた、おとぎ話

3月26日(火)に太田出版より新刊『売れるには理由がある』が発売されます!!

売れるには理由がある
戸部田 誠 てれびのスキマ
太田出版
売り上げランキング: 11,441

本書は『アサヒ芸能』で掲載していた「芸人の運命変更線」という連載をまとめたものです。毎回、様々な芸人を一組取り上げ、その“代表作”を紹介しつつ、解説を加えたものです。解説と言っても、そのネタの何が面白いのか、何が新しいのかというようなネタ自体の批評ではありません。それが生まれた経緯や、そのネタに関するエピソードなどを通して、その代表作がその芸人でなければ生まれなかった、その芸人ならではなものであることを解き明かしていこうというものです。
この連載を始めた動機のひとつに、芸人の代表作をちゃんと紹介しているような本が存在しないなあと思ったからというのがあります。もちろん、ネタを活字化することなんて野暮で無粋なことだと思います。何より、その面白さを伝えきることはできません。けれど、だからといってそういう本がないままでいいとは思えなかったのです。
ですが、この連載は、志半ばで終わってしまいました。かなりショックでした。なんとか続けたいと思っていたところ手を差し伸べてくれたのが、復刊した『CONTINUE』でした。そこで内容はそのままに、タイトルを「2020年てれびの旅」として再開できたことで、念願叶って本書が刊行できることになりました。
今回のラインナップは以下のとおりです。

第1章
ダウンタウン「トカゲのおっさん」
ザ・ドリフターズ「もしも威勢のいい銭湯があったら」
ナインティナイン「『岡村オファーがきました』シリーズ」
極楽とんぼ「ケンカコント」
さまぁ~ず「コント・美容室」
ナイツ「ヤホー漫才」
内海桂子・良江「三味線漫才」
横山やすし・西川きよしやすきよ漫才」
ブラックマヨネーズ「漫才・ケンカの強い男を目指そう」
博多華丸・大吉「漫才・ユーチューバーになりたい」
キャイ~ン「僕はこれじゃないよ、これだよ」
南海キャンディーズ「男女漫才」
オードリー「ズレ漫才」


第2章
出川哲朗「出川イングリッシュ」
伊東四朗「電線音頭」
ダチョウ倶楽部「どうぞどうぞ」
FUJIWARAフジモン「ガヤ」
レイザーラモンRG「あるある早く言いたい」
イジリー岡田「高速ベロ」
テント「クモの決闘」
ハリウッドザコシショウ「誇張モノマネ」
明石家さんま「雑談」


第3章
ツービート「毒ガス漫才」
B&B「もみじまんじゅう」
とんねるず「乱闘事件」
髭男爵「貴族のお漫才」
おぎやはぎ「脱力系漫才」
バカリズムトツギーノ
伊集院光芳賀ゆい
オリエンタルラジオ「PERFECT HUMAN」
タモリ「四カ国語麻雀」
トニー谷「さいざんす・マンボ」
爆笑問題「時事漫才」


第4章
古坂大魔王「ピコ太郎『ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)』」
笑福亭鶴瓶「局部露出事件」
毒蝮三太夫「ババア中継」
コント55号「コント・机」
ウッチャンナンチャン「ショートコント・レンタルビデオショップ」
ロバート・秋山「体モノマネ」
コロッケ「早送りモノマネ」
片岡鶴太郎「おでん芸」
古舘伊知郎「ドリンク売り」
バイきんぐ「なんて日だ! 」

このリストを見てもらってもわかると思いますが、僕が挙げた“代表作”は、漫才やコントやギャグなどの、いわゆる“ネタ”だけではありません。番組企画やそこで起きた“事件”なども含んでいます。ネタこそが芸であるという考え方もあるとは思いますが、僕はそうは思っていないからです。番組等での立ち回りのひとつひとつをとっても、その芸人の“芸”が宿っているはずなのです。このリストを見るだけでも、笑いがいかに多様かがわかるのではないかと思います。
イラストは『CONTINUE』連載時同様、花小金井正幸さんにお願いしました。イキイキと躍動感あふれる芸人のイラストは、それだけでも本書を手にとってもらう価値がある最高のものです!
そして帯文を書いていただいたのが髭男爵山田ルイ53世さん。今更説明するまでもない文才と批評眼をお持ちの方ですが、意外にも帯文を寄せたのは初めてだそうで、こんな光栄なことはありません。お引き受けいただけると聞いたときは飛び上がって喜びましたが、届いたコメントを読んであまりの感激で動けなくなりました。

これは芸人たちが己の人生を「0→1」にしたあの頃を描いた、おとぎ話である。
エピソードを収集し、教訓や方法論を抽出し、著者の鮮やかな筆で編み上げた、グリムやイソップに続く「スキマ童話」。
上質な短編集として楽しむもよし、成功のノウハウ、生きるための知恵を授かるもよし。
何かしらのジャンルで“一発”当てる、その助けとなるだろう。   山田ルイ53世

なんと含蓄のある言葉でしょう。
「cakes」では、試し読み的な連載が始まっています。
cakes.mu

そんなわけで、『売れるには理由がある』3月26日発売です!
ご予約はこちらから!

売れるには理由がある
戸部田 誠 てれびのスキマ
太田出版
売り上げランキング: 11,441