最近の気になる話題

■「さんまのまんま」に阿部サダヲ

松本人志登場も凄いが、こっちも面白そう。
放送は関西テレビでは5月25日、フジテレビでは6月8日。
http://www9.big.or.jp/~otona/page004.html
ちなみに各所で話題になっているとおり松本人志の登場は6月1日。


ふかわりょうのエッセイ「無駄な哲学」発売

無駄な哲学
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YOUTUBEでBGM「ニャースのうた」犬山イヌ子

あおい あおい しずかな よるには
おいら ひとりで てつがく するのニャー

この間、初めて聴いて心に沁みた。

「たま」のランニング

これは2004年2月にびあ株式会社から出版された僕のバンド自叙伝的な本です。
今回、絶版になっていた同書を出版社の許可を得てここに無料で公開します。
僕に興味のない人でも「たま」や1980年代から2000年初頭頃の音楽シーンに興味のある方、もしくは単に馬鹿話が好きな人も気軽に読める一冊です。

>>「たま」という船に乗っていた(石川浩司)

しかしそれでも人はおかしいと言う。動きがなんだかおかしいと言う。
 でも動きはしょうがないのだ。小学生の頃、体育の時間にまず準備体操をする。ラジオ体操第一とか第二とかそういう感じの体操だ。先生の動きを見て、先生と同じように動く。先生が手を上げれば上げるし、屈伸をすれば屈伸をするのだ。
 ところがなぜか石川君だけ動きが違うと言われる。どうも何か決定的に石川君だけが違う動きをしているというのだ。
 前によばれる。先生がちょっとここでひとりでやってみろと言う。
 やる。


「どっ!」


 笑いの渦。
 例えばそれは文章で表わせばちゃんと手も上げてるし屈伸もしているのだけれど、全然他の人とは似て非なるものだという。はっきり言えば、物凄い不器用で、もしかしたらこれはふざけてるのかしらん、人を笑わそうとわざと変な動きをしているんじゃないのかしらん、と誤解されるほどだったのだ。
 そこで石川少年は考えた。涙をふいて考えた。この不器用は直らない。医者に行こうが直らない。勉強しても直らない。ネジをしめても直らない。直らないったら直らない。だけども落ち着け周りをみれば、どうやら皆な笑っているぞ。どうやら皆な楽しんでるぞ。不器用ブザマは笑顔の元よ、俺の悲劇は他人の喜劇、こりゃいいわー。こりゃいいわー。・・・こりゃいいか? ・・・まぁいいわー。本当にいいか? 面倒くさいからいいわでいいわー。
 そして俺は考えを改めた。
 「楽しまれる不器用」を目指そうと。
 不器用のエキスパートを目指そうと。
 俺は人の笑顔を見るのが、何よりも好きだったのだ。


 だから人前で何かやる時は、自分の不器用を少し誇張して出すように心がけた。そのうち自分でも自分の動きがどこまで意図的なのか、よくわからなくなった。
 あぁよかったと思った。
 何年もそうしているうちに「意図すること」の方が自然になったのだ。だから逆に言えば俺の「自然」とは、必然的に意図のある状態ということになる。
 そして不器用に反抗しなくてよかったとも思った。それは多大な努力の割に、報われるものは少ないように思える。全ては流れのままに。
 不器用人間は、違う霊長類の生き物である。
                   (「まえがき〜ランニングと坊主頭の秘密〜」より)

4月に印象に残った番組

『さんまのまんま』
  フジテレビ 4月6日深夜放送(関西テレビでは3月23日放送)
 <出演>明石家さんま ビートたけし

1000回以降の「さんまのまんま」のゲスト人選の気合の入り方は凄い。師匠の松之助や長渕剛との絡みは明石家さんまの本領発揮といったところ。やはりこの人は攻めるより攻められるほうが面白い。そして、1000回記念のビートたけしとのトークもやはり面白い。秘蔵映像として流されたvs梓みちよでマジ切れする姿や、結婚前のvs大竹しのぶもとても興味深かった。

やりすぎコージー(30分拡大SP)』
  テレビ東京 4月7日深夜放送
 <出演>今田耕司 東野幸治 千原兄弟
    なだぎ武 木村明浩 有酸素運動マン ジャルジャル とろサーモン

「ビバヒルコージー青春白書」と題してディラン(なだぎ武)とキャサリン(友近)の代わりにやってきたピーター・パーカー(木村明浩)に友達を紹介するという体で、芸人がネタを披露。ジャルジャル有酸素運動マン(サバンナ八木)など非常に面白かったが最も笑ったのはディランことなだぎの裏の顔をピーターが暴露したシーン。「ディランは恐い。スベった後がホントに恐い」と怯える彼に冷たい視線を送るディラン。「2時間くらいチクチクやられるんだ」「僕の台本の台詞をボールペンで全部×にされることもある」と嘆くピーターとディランの表情の対比は、恐いくらい。いつも口元だけは笑っているディランだけに尚更。

『PRIDE.34』
  スカパーPPV 4月8日放送
 <対戦カード>ソクジュvsアローナ 青木真也vsローアンユー 藤田和之vsモンソン
        瀧本vs弁慶 バタービーンvsズール 田村潔司 桜庭和志

DSE体制最後となるこの大会。サプライズも凄かったが、試合自体も素晴らしかった。その後に行われた「UFC.70」でのミルコの敗戦も合わせ「PRIDEの終焉」を思わせるのだけど。

『めちゃ×2イケてるッ!SP』
  フジテレビ 4月14日放送
 <出演>ナインティナイン 鈴木沙理奈 ほしのあき よゐこ 加藤浩次
      TOKIO ココリコ 藤井隆 たむらけんじ 松野明美

鈴木沙理奈どっきり企画。やはり気合の入った「めちゃイケ」は面白い。そして、いまいち面白いと思えなかった「シンクロテイスティング」がこの回はとても良かった。特に岡村、原西、ココリコ、藤井という組み合わせは絶品だった。

『MUSIC GARAGE
  テレビ朝日 4月14日深夜放送
 <出演>奥田民生 サンボマスター コブクロ チャットモンチー

とにかく、サンボ山口の場のまわしの巧さが目立った。民生に対して先輩をしっかりと立てつつ、ちゃんと笑いのとれるツッコミをする様は旧知の仲のよう。

『ダチョ・リブレ』#14、#16
  スカパーテレ朝ch 4月15日、29日初回放送
 <出演>上島竜兵 肥後克広 土田晃之 ノッチ 有吉弘行 デンジャラス安田

「すべらない話」のパロディ企画「竜兵上島のオチのない話」。「リンカーン」などでも「すべる話」としてパロディされているが、こちらはあくまでも「オチがないけど、面白い」話。これはかなり難しい。あの達人、土田が四苦八苦する姿はなかなか見れるもんじゃない。

くりぃむナントカ
  テレビ朝日 4月23日放送
 <出演>くりぃむしちゅー 土田晃之 国生さゆり MEGUMI
      フランキー為谷 ゆうたろう ニセヨン様 バナナマン

間違いなく4月のベスト番組。その凄さはこちらに詳しく書かれている。
本分の「笑い」を追求した結果、最高のメディア・リテラシーの教材を生み出したという最も理想的で稀有な作品なのではないか。

『環境野郎Dチーム』
  フジテレビ 毎週月曜深夜放送
 <出演>伊吹吾郎 麻丘めぐみ 小野寺昭 大和田伸也 小倉一郎
さまぁ〜ず・さまぁ〜ず
  テレビ朝日 毎週水曜深夜放送
 <出演>さまぁ〜ず つぶやきシロー

今期の新番組はこの2つが素晴らしい。「Dチーム」は初回を見て度肝を抜かれ、その不思議な世界観に虜になってしまった。女性ゲストの人選も微妙さ加減が絶妙。
さまぁ〜ず・さまぁ〜ず」はさまぁ〜ずがフリートークをするだけだが、やはりこの二人はこの何も足さない感じが一番活きる。他にもみうらじゅんの持ち込み企画「シンボルず」、企画には無理があるような感じだけど意外と面白い「むちゃぶり」「ペケ×ポン」、前作同様安定した面白さの「サラリーマンNEO」「ゴッドタン」など今期は地味ながら良質の新番組が多い感じ。


新ドラマは、期待どおり2トップになった「セクシーボイスアンドロボ」「帰ってきた時効警察」、期待以上の出来である「エリートヤンキー三郎」「ライアーゲーム」「ティッシュ」、最初は期待外れだったけど徐々に面白くなってきた「特急田中3号」「わたしたちの教科書」、予想通り安定した面白さの「バンビーノ」「ユキポンのお仕事」、いまだ微妙な「冗談じゃない」「プロポーズ大作戦」といったところか。

3月の印象に残った番組

『テキトーTV 8』
  テレビ朝日 3月3日深夜放送
 <出演>有田哲平 矢作兼 岡田圭右 庄司智春 西川史子
     小阪由佳 小林恵美

いつのまにやら、8回目を迎えた「ドスペ2」の人気番組。回を追うごとにそのいい具合なダメっぷりが完成されていっている。「第2回ミスダメ女コンテスト」では大根仁ドラマのヒロイン2人(小阪、小林)が共演し、「ああ、大根さん苦労しただろうな」と思わせるバカっぷり。特に小阪由佳のそれは破壊的で、全身から滲み出るダメさ加減は最強。

『K-1ワールドGP2007in横浜』
  フジテレビ 3月4日放送
 <対戦カード>チェ・ホンマンvsマイティ・モー セーム・シュルトvsレイ・セフォー
   武蔵vs藤本祐介 バダ・ハリvsカラエフ バンナvs澤屋敷 アビディvs野田

ここまで興奮した「K-1」は何年ぶりかと思う神興行。地上波で放送された試合はほぼ全てに見所があり、結果、内容ともに大満足。特にバダ・ハリvsカラエフは近年のK-1の中では圧倒的なベストバウト。
またこの日の煽りVTRは佐藤大輔テイストで、彼のフォロアーが育ってきているのかな、と思わせた。

虎の門』
  テレビ朝日 3月9日深夜放送
 <出演>勝俣州和 MEGUMI バカリズム インポッシブル ザブングル

この日行われた「お笑いタイガーズゲート」は素晴らしかった。
ここに出るようなレベルじゃないバカリズムの「野球官能小説」(参考)、インポッシブルの「巨大生物との対決」、そして前回王者のザブングルと、全てが面白かった。

『SRS』
  フジテレビ 3月23日深夜放送
 <出演>浅草キッド 小林聡

”野良犬”小林聡の引退特集。長年キックボクシングにこだわり、牽引してきた彼の姿はホントにカッコイイ。

ガキの使いやあらへんで!』
  日本テレビ 3月25日放送
 <出演>ダウンタウン ココリコ 山崎邦正 板尾創路 板尾の嫁(シェリー)

鉄板企画「板尾と板尾の嫁」の今回は「板尾の嫁の奇想天外人生」(いつ見ても波瀾万丈」のパロディ)。何より驚いたのは嘘か本当か判断がつきかねるけど、彼女がインド出身だということ。南米かと思ってた。彼女の日本兵姿には笑い死にしそうになった。
 参考>板尾の嫁ことシェリーです(オフィシャルサイト)

くりぃむナントカ』
  テレビ朝日 3月26日放送
 <出演>くりぃむしちゅー 大木アナ 前田アナ 土田晃之 次長課長
      ゆうたろう ニセヨン様 堀越のり 大久保佳代子

いつのまにやら看板企画のひとつに成長した「大木アナvs前田アナ」。今回は前座としてゆうたろうやニセヨン様、堀越のリ、大久保さんが登場。その無駄、無意味っぷりに拍車が。そしてやっぱり無駄、無意味の暴露合戦、プーちゃんTシャツともうバカバカしいにも程がある。

『プロフェッショナル』
  NHK総合 3月27日放送
 <出演>宮崎駿

時間を追うごとにどんどん不機嫌になる宮崎駿の姿にはドキドキしっぱなし。かなり興味深い話連発の中、息子吾郎に対する愛憎を隠さない彼にはなんともいえない魅力を感じてしまう。

アメトーーク!』
  テレビ朝日 3月29日放送
 <出演>雨上がり決死隊 黒沢宗子 FUJIWARA原西 ダンディ坂野
     ハリセンボン 水玉れっぷう マチコ勝又

「この芸人がすごい!」と題された、吉本以外の芸人も含めた「やりすぎ」の隠し芸のような企画。そんな中MVPになった森三中黒沢の”千手観音かずこ”の熱唱は色々な番組でみかける歌声ではあるけど、何より面白いのはそのテキトーに歌っている歌詞をいちいちバカ丁寧にテロップに起こしていること。

やりすぎコージー』
  テレビ東京 3月31日放送
 <出演>今田耕司 東野幸治 千原兄弟 ケンドーコバヤシ たむらけんじ

再び「やりすぎFBI」。そしてその前の回の「野生爆弾ロッシーのもの申す」と合わせ、本当に吉本っていうのは人材の宝庫だな、と感じさせた。「くまタタキーン」とか「アナリンピック」とかもうホントにバカすぎる。

『テレビゲームジェネレーション 8bitの魂』
  スカパーMONDO21 隔週木曜日初回放送
 <出演>ポリゴン犬飼 遠藤雅伸 岡本吉起

ここ数年「ゲームセンターCX」を筆頭にファミコン世代の心を掴もうとする番組が多いがこの番組もその一つ。そしてこの番組のアプローチは実際に当時の8bit仕様でゲームを作ってみようというもの。3月放送の#3、#4では当時第一線で活躍していたクリエータ遠藤雅伸岡本吉起を迎え、ポリゴン犬飼が企画したゲームを見てもらい、その欠点、改善点を指摘してもらうというもの。ほんの短時間でその欠点を発見し、次々と指摘し、その改善点を語る両氏はやっぱり凄い。同時にこの炙り出された欠点がそのまま、ゲームそのものの魅力、面白さを示すヒントになっているところがこの番組の白眉。

2月に印象に残った番組

爆笑レッドカーペット
  フジテレビ 2月18日放送
 <出演>今田耕司 えなりかずき ムーディ勝山 TKO バカリズム
     柳原可奈子 ハイキングウォーキング ダイノジ チュートリアル ほか

全体的に低調だった2月のベストは間違いなくこの番組でしょう。ネタはもちろん面白かったのだけど、個人的にこの番組で印象に残ったのは、えなりかずきの的確で鋭くも面白いコメントの数々。「三組終わった後でのパッション屋良さんの忘れられ方がすごい」「(あべこうじは)すごい面白いんですけど、1秒後のイライラ感がすごいんですよ」「よく考えるとほめる所が1つもないんですよね」など名コメント連発。
この司会陣と審査員の名コメントの数々はこちらにまとめられています。
  →『爆笑レッドカーペット』中話集(NOT FOUND−演芸雑想ノート−)
3月18日にも放送されるという第2弾にも過度な期待をせずに楽しみに待ちたい。

やりすぎコージー
 「やりすぎFBI」
  テレビ東京 2月18日深夜放送
 <出演>今田耕司 東野幸治 千原兄弟 たむらけんじ ケンドーコバヤシ

同じ日の深夜放送されたこの番組もすごかった。
特にたむらけんじにより披露された「山、川、空、八木」と呼ばれる超天然芸人サバンナ八木のエピソードの数々。彼が毎日書き綴っているという「まだ見ぬ君へ」や「楽しみ100回」などはもっと読んでみたい。近いうちに、この番組で彼個人の特集を是非ともやってほしいところ。

アメトーーク!
 「デブ芸人まつり」
  テレビ朝日 2月15日放送
 <出演>雨上がり決死隊 石塚英彦 ドロンズ石本 内山信二 HIRO 
     ウガンダ・トラ アンガールズ

この回はなんといってもデブ会会長ことウガンダに尽きる。登場したとたん、自分の腹で下が見えずテーブルにつまずき、普段表情でしか笑わない石塚を本気で爆笑させる絶好調ぶり。
「ケーキを食べる時は鼻にクリームをつける」「汗が目立つようにグレーのシャツを着る」などデブ芸人としての心得を語ったと思えば「ウェットスーツを着て海に出たら、トドに間違われ殺されそうになった」などすごすぎるエピソードも披露。

リンカーン
 「ハリセンボンの説教先生! リンカーンのためだから」
  TBS 2月20日、27日放送
 <出演>ダウンタウン さまぁ〜ず 雨上がり決死隊 キャイ〜ン 
     山口智充 ハリセンボン

「下の立場の人が偉そうに振舞う」形式の企画はこの番組スタート当初から*1多用され、看板企画ともいえる「フレンドリーダウンタウン」も同じタイプ。この手のものは「臆する」感じと「果敢に立ち向かう」感じのバランスが上手くかみ合ってないと面白さが半減してしまうものだけど、ハリセンボンはこのバランスが絶妙だった。

なまはげ兄弟 #16』
  スカパーEXエンタテイメント 2月15日深夜初回放送
 <出演>みうらじゅん 安斎肇

毎度毎度無意味なバカ話が延々2時間続くこの番組だが、この日は特にひどかった。
映画「愛の流刑地」を鑑賞したというみうらじゅんがその感想を語り、そこで今後は「エロ礼儀正しい」が来るという話の展開とバカバカしさは、すさまじい。まさにみうらじゅん節全開! 書き起こして記録しておこうとも思ったけれど文字にすると下品さが際立つのでやめた。

ウーマンリブ先生』
  WOWOW 2月23日深夜放送
 <出演>松尾スズキ 古田新太 池津祥子 伊勢志摩 宍戸美和公 猫背椿
     皆川猿時 荒川良々 平岩紙 少路勇介 星野源 宮沢紗恵子 宮藤官九郎
 <脚本・演出>宮藤官九郎

舞台での宮藤官九郎作品というのは悪い意味で冗長でグダグダになりがちで、彼には時間的、内容的にある程度制約のあるテレビドラマのほうが結果的に面白い作品が多いと思うのだけど、この作品はとても良かった。
前半は“皆川猿時オンステージ”のような感じで彼の魅力満載。また事前の番宣番組ではクドカン自身「チンコとチンポとの間にはエノケンとエノケソほどの違いがある」とよく分からないこだわりを語った下ネタは池津さんを中心とした女優陣が思いっきり演じきり、後半のカタルシスにつなげていく脚本はちょっと松尾さんっぽい展開だった。
尊敬と畏怖と驚愕が入り混じった末の無表情」とか「笠地蔵の境地」などクドカン独特の形容表現も冴え渡っていた。が、もっとも印象に残った見事な形容表現は、この舞台中継の後に流れた「噂の男」の番宣のダイジェスト映像での堺雅人を称した見事な台詞「喜怒哀楽のすべてを笑顔で表現する男」だった。

『PRIDE.33』
  スカパーPPV 2月25日放送
 <出場選手>ヴァンダレイ・シウバ ダン・ヘンダーソン 五味隆典 ニック・ディアス
       桜井“マッハ”速人 ソクジュ ムリーロ・ニンジャほか

幸か不幸かアップセット連発で、今後のPRIDEのターニングポイントになりそうな大会に。ベスト煽りVTRは五味vsディアスの「ラスカル(いたずらっ子) vs ロージー(だだっ子)」。

『ダチョ・リブレ』
  スカパーテレ朝チャンネル 毎週日曜日放送
 <出演>ダチョウ倶楽部 土田晃之 スマイリーキクチ 有吉弘行 デンジャラス

1月から始まったこの番組、非常に安定した高水準の面白さを続けている。まさにダチョウ倶楽部、第2のブレイクを象徴するような番組。竜兵会の模様を放送する「ばっかす」では「居酒屋野武士カルトQ」「2006流行語クイズ」など、ホントにどうしようもない内容で「太陽様」上島竜兵の魅力全開。ネイチャー軍団の活動を紹介する「ヘラクレス」では、ネイチャージモンの「自分の祖父の墓参りに行こうとして道に迷う」「松坂牛のセリを見に来たのに、仲間との話に夢中になって肝心のセリが終わってしまった後に会場に行く」といった天然ぷりとそれを無理矢理自己弁護する様がひどすぎて素晴らしい。 
 

*1:ふかわりょうのネタの影武者」など

最近の気になる話題

越中詩郎「やってやるって!」Tシャツ発売

http://www.rakuten.co.jp/tokon-s/284618/804343/#777861

■ハイビジョンミステリードラマシリーズ「怪奇大作戦 セカンドファイル」放送決定

【放送予定】2007年4月2日・9日・16日(月) 
NHK BShi 22:00〜22:45
#ファイル1「ゼウスの銃爪(ひきがね)」演出:清水崇
#ファイル2「昭和幻燈小路(げんとうこうじ)」演出:北浦嗣巳
#ファイル3「人喰い樹(じゅ)」演出:中田秀夫


【出演】
西島秀俊  田中直樹(ココリコ) 青山草太  美波
岸部一徳  寺田農  ほか


  http://m-78.jp/news.php?id=485

演出、キャスト陣はいい感じ。これに板尾さんが入っていればもっと良かったのに。

爆笑問題のモモメロン論争(「物は言いよう」より)

http://d.hatena.ne.jp/peace823honey/20070209/1171034177
あまりのバカバカしさ、あまりの子供っぽさに抱腹絶倒必至。
太田の理不尽すぎる理論としつこさに対して、むきになって反論しつつも、結局は気にせずに受け流してしまう“バケモノ”田中の偉大さを垣間見ることのできる上質なテキストです。
爆笑問題の魅力とうっとうしさが見事に詰まっています。

越中詩郎に泣かされていた森達也


同じく「クイック・ジャパン Vol.70」では「マッスル」特集の中で、マッスル坂井森達也が対談している。
森は「マッスル自体がすでにプロレスのドキュメンタリーだ」と讃えたうえで、的確に課題も提示している。

ただ、虚実の皮膜ってあるじゃない。お互い了解のもとでやってても、ちょっと一瞬「今のキック、お前ないだろ」って顔をするとき、あるでしょ。僕はそんな瞬間を見ることがとっても楽しいんですよ。そういう虚実の曖昧な部分が、マッスルでは出しづらいとういか、逆に成立しなくなるよね。真剣にやってるという建前があってこその虚実の皮膜ですから。


そんななか、この対談で個人的に印象に残ってたのは、とっても森さんらしいなあ、と思ったこのエピソード。

昔、高田延彦越中詩郎の名勝負数え唄ってあったでしょ。高田がキックを入れて、越中がダウンして、起き上がってきたところをまたキック、ダウンってやるじゃない。もう様式美。越中なんて蹴られまくって、胸、真っ赤ですよ。それを、たまたま隣にいた妻に、妻はプロレスにまったく興味ないんだけど、「この越中は蹴られることがわかってて、起き上がってくるんだよ。高田も内心、『痛いか、ごめんな』と思いながら、絶対に足の力を抜かずに蹴るんだよ」って説明してたら、だんだん涙が溢れてきちゃって。妻も「何で泣いてんの」って呆れてた(笑)。




カンニングを作った男


現在発売中の「クイック・ジャパン Vol.70」では、「中島がなくなったことについてのインタビューは絶対に受けないと決めて」いたというカンニング竹山隆範だが、「QJ」にならということで、それを含めて今までのカンニングの歴史を語っている。
竹山隆範すべてを語る23,000字」と題されたそのロングインタビューで個人的に印象に残ったのは、彼らのターニングポイントとなった「虎の門」出演でのエピソード。


竹山は、初めて「めちゃイケ」に「笑わず嫌い王」で呼ばれた時、片岡飛鳥から言われた言葉が、いまだに頭に残っているという。
「お前らを最初にTVで使った人はすごい。一生感謝しろよ。俺じゃねえぞ」


それが「虎の門チーフディレクターの藤井智久だった。
そのネタ見せオーディションでの出会いを竹山が述懐する。

「どうせまた受かんねえんだろ」なんて中島と言いながら「おはよーざす」って会議室に入ったら、藤井さんがいきなり笑ってたんですよ。僕らが部屋に入るなり、「えっ、若手なの!?」って(笑)。で、ネタやったら藤井さんがきゃっきゃ笑ってるんですよ。「若手のネタじゃねえじゃん。俺ら売れねえって言っちゃってんじゃん。悪いけど使えねえよ」と。「若手探してんだもん。売れたくねえって言ってるヤツは使えねえよ(笑)」「ああそうなんですか」「今回は悪い。シニア大会とかやった時呼ぶわ、ごめんね」

しかし、程なくして藤井の「個人的な趣味で」呼ばれ「虎の門」出演が決まる。

最初の収録で、僕が本番前にハンチング被って出ようとしたら、ものすごく怒られたんですよ。衣装を買ってきたら怒られたし、メイクしたら怒られた。
「そんなきれいな衣装着てどうすんだ、小汚い二人がTV出てるから面白いんだろうが!」って。
「他のコンビはそれでいいけど、お前らなんでTVに出させてもれっているのか考えろ」って話が続くわけですよ。
「まずかっこいいのかかっこ悪いのかどっちだ?」「かっこ悪いです」
「おじさんか若手かどっちだ?」「おじさんです」
「不細工なのか気持ち悪いのか?」「どっちも兼ね備えてます」
「センスある漫才なのか、ない漫才か?」「ないです」
「怒鳴るのか?」「怒鳴ります」
「そうすればおのずと形は見えてくんだろ、そしたらこんなジャケット着れねえだろ!」って。
途中からどんどん変なことになって、私服の方がおしゃれみたいなことになっていた(笑)。


カンニングっていうのはこういうコンビだ、と。こういうことを言って、TVの視聴者にこういうものを与えるんだ、と。ネタの見せ方も、細かく全部言われました。藤井さんの言われたことを、他のTVに呼ばれた時も必死にやってましたね。

この番組の出演がきっかけになり、カンニングは独自のスタンスで「若手お笑いブーム」の中を駆け抜けていくことになる。


そして中島の死を迎える。
カンニングっていうお笑いコンビは、藤井さんに始まり藤井さんに終わっています」と竹山が言うように、中島の死の直後の「虎の門」では藤井自身の編集による追悼VTRが流され、「お笑い芸人」として追悼された。
その日も竹山は番組中、いつものようにフロアAD役としてそこにいた。出演者からは、特に触れられるわけではなく、本当にいつもどおり番組が進められている。
そして番組が終了すると、最後の最後にカメラが竹山を横から映す。
彼が持っているカンペには「VTRへ」。
そして流されたのは以前「虎の門」で披露された漫才の映像だった。
VTRがあけると、無音のまま中島への追悼のテロップが映し出され、そのまま番組が終了した。
その追悼の仕方はとても「虎の門」らしく、かつ愛に満ちたものだったと思う。


参考>YouTube「虎の門 カンニング中島追悼」