大江麻理子の憂鬱と伊藤Pの決断

いよいよ4月から日曜7時に放送時間が変わる『モヤモヤさまぁ〜ず2』。
それを機に、『Quick Japan』の公式サイト内のスペシャルコンテンツとして現在伊藤隆行プロデューサーのロングインタビューが掲載されている。
既に多くの方がご覧になったかとは思うが、これは、伊藤Pがゴールデン移動を打診され、悩みつつ、決断するまでの経緯が生々しく明かされている貴重なインタビューとなっている。


最初、移動の話は「てっきり冗談なんだろうな」と思ったら、実は本気で、「結論を出せないまま年を越しちゃ」ったという。
伊藤Pにとって『モヤさま』は「心のオアシス的」な番組である。

さまぁ〜ずさんが白髪の混じる50歳くらい、番組としては10年続けるというのを目標にしていて。「もう歳だから腰が痛てぇ」って文句言って、歩くのがしんどくなって終わるみたいな、タモリさんでいうところの『タモリ倶楽部』的なものになりたいんです。そのうえで今回のゴールデンタイム移動をどう捉えるかっていうのがね……。

ところで、「モヤさま」大江アナが早退した日(はてなでテレビの土踏まず)でも明らかなとおり、大江アナは、この番組にとって必要不可欠な存在だ。
その大江アナは「私にとっては素の自分をさらけ出せる特別なひととき」(『QJ(77号)』より)と『モヤさま』という番組を捉えている。(参考:3人目のさまぁ〜ず、あるいは「モヤモヤさまぁ〜ず2」における大江アナの立ち位置
そして、現在の放送時間帯の良さを以前『QJ(80号)』の対談で語っていた。

おさまりがいいという意見はよく聞きます。一週間の仕事を終えた金曜日の夜に、飲んで、帰ってきて。最後に寝る前に見ると、一週間の肩の荷が下りるみたいな。

そんな大江アナは今回のゴールデン移動をどのように感じているのか、それが、前述の伊藤Pのインタビューの中から少し垣間見ることが出来る。
伊藤Pからそのことを聞いた大江アナは、はっきりと拒絶反応を示した。

私は絶対反対です」って(笑)。
思いっきり。会社に反抗してるわけじゃなくて、彼女は自分の考えをハッキリと言える人間だし、やっぱり『モヤさま』には特別な思いがあるんでしょうね。

それでも伊藤Pは自分の思いを語り、彼女を説き伏せる。

同じテレビ東京の社員ですから、いま会社が置かれている状況とか、これからどうすべきかって話をしました。楽はできない局だよと。あと、僕としては今回の移動をきっかけに、なぜこの番組をやっているのか、やり続けるのかって意味をちゃんと考えてみたいって。そこまで彼女に話すのもどうかと思ったんですけど、大江にも僕の悩みをちょっと共有してもらおうかなと(笑)。そしたら「わかりました。任せます」って。

具体的にどんな話をしたのかはハッキリとは分からないが、おそらくこのロングインタビューの後半で語られているような話をしたのではないだろうか。
そこで語られている言葉はテレビ東京や『モヤモヤさまぁ〜ず』への愛にあふれ、その愛ゆえに、いばらの道へ進む決意が熱く伝わってくる内容となっている。
たとえば、個人的には、こんな一言が印象的だった。

テレビが厳しい状況にあるんだったら、誰もが疑問に思うようなことをやってこそ、初めて視聴者に届くんじゃないかと思います。

もしまだ未読な方がいれば、是非全文を読んでほしい。

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ゴールデンに移動してもこんな感じで!